石橋湛山賞

石橋湛山賞 2011年(第32回)の授賞作

牧野邦昭(摂南大学経済学部講師)
『戦時下の経済学者』
(中央公論新社、2010年6月刊)

2011年度・第32回の「石橋湛山賞」(石橋湛山記念財団主催、東洋経済新報社協賛)は、摂南大学経済学部講師・牧野邦昭(まきの・くにあき)氏の『戦時下の経済学者』(中央公論新社、2010年6月刊)に決定いたしました。全国の有識者から推薦いただいた30編超の著作・論文の中から、厳正なる審査を経て選考されました。

受賞作は、第1次大戦から第2次大戦にかけての「総力戦」に、否応なく巻き込まれた日本の経済学者たちの言説と行動を追跡したものです。経済学の理論と実際、陸海軍など体制側からのグループ化や駆け引きの分析は、従来にない「経済学の社会史」(著者の言葉)として、きわめてユニークな内容といえます。

石橋湛山が「小日本主義」をベースに時の流れに抵抗し続けた時代に重なる、非常に困難な状況下での人物群像が生き生きと描かれています。研究対象として斬新かつ貴重であり、石橋湛山が生涯をかけて追求した自由主義・民主主義・国際平和を論議するうえでも、誠にふさわしいものとして高く評価されました。
(詳しくは、石橋湛山記念財団ホームページ をご覧ください)