石橋湛山賞

石橋湛山賞 2010年(第31回)の授賞作

若田部昌澄(早稲田大学政治経済学術院教授)
『危機の経済政策――なぜ起きたのか、何を学ぶのか』

(日本評論社、2009年8月刊)

 2010年度・第31回の「石橋湛山賞」(石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社協賛)は、このほど、早稲田大学政治経済学術院教授・若田部昌澄(わかたべ・まさずみ)氏の『危機の経済政策――なぜ起きたのか、何を学ぶのか』(日本評論社、2009年8月刊)に決定いたしました。全国の有識者から推薦いただいた50編超の著作・論文の中から、厳正なる審査を経て選考されました。

 受賞作は、1920年代〜30年代の大不況・大恐慌、1970年代の大インフレ、90年代の日本大停滞、さらに2008年以降今日に続く金融危機を対象に、歴史的事実とその時々の経済政策、マクロ経済学の理論を対照させて、原因と結果、理論と実際の相互関係を実証的に追究した著作です。

 危機に対応する経済政策と経済学の進化を読み取り、今日における新たな理論と政策の可能性を論じた著作は、自由主義・民主主義・国際平和の可能性を追求し続けた石橋湛山の思想に――とくに対象への情熱と客観的な分析とにおいて――ふさわしいものとして、高く評価されました。
(詳しくは、石橋湛山記念財団ホームページ をご覧ください)