石橋湛山賞

2009年(第30回)の授賞作

深津 真澄氏 (ジャーナリスト)
『近代日本の分岐点―日露戦争から満州事変前夜まで』
(ロゴス 2008年6月刊)

 2009年度・第30回の「石橋湛山賞」(石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社協賛)は、ジャーナリスト(元朝日新聞論説副主幹)・深津真澄(ふかつ・ますみ)氏の『近代日本の分岐点―日露戦争から満州事変前夜まで』(ロゴス、2008年6月刊)に決定いたしました。全国の有識者から推薦いただいた50編超の著作・論文の中から、厳正なる審査を経て選考されました。

 受賞作は、明治38年の日露戦争から昭和6年の満州事変までの小村寿太郎・加藤高明・原敬・田中義一による日本外交を分析する一方、ジャーナリスト・石橋湛山の「大日本主義の幻想」に代表される一貫した言説を対比させることによって、なぜ「戦争と平和」の選択で日本は道を間違えたのかを追跡し、侵略と戦争に突き進む萌芽はこの大正期にこそあったとする独自の論説を展開します。

  5人の人間像を含めて、近代日本の分岐点を鮮やかに描き出した本書は、自由主義・民主主義・国際平和の可能性を追求し続けた石橋湛山の思想にふさわしいものとして、高く評価されました。
(詳しくは、石橋湛山記念財団ホームページ をご覧ください)