石橋湛山賞

2007年(第28回)の授賞作

毛里和子氏 (早稲田大学政治経済学術院教授)
『日中関係――戦後から新時代へ』
(岩波新書 2006年6月刊)

 2007年度・第28回の石橋湛山賞(石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社協賛)は、早稲田大学教授・毛里和子氏の『日中関係――戦後から新時代へ』(岩波新書、2006年6月刊)に決定いたしました。全国の有識者からご推薦をいただいた約60編の著作・論文の中から、厳正なる審査を経て選考されました。

 授賞作は、1949年中華人民共和国成立から現在までの日中関係を、冷戦期・国交正常化・蜜月期・変革期・2005年以降の新状況に分けて、その構造変化を追跡するとともに、日中の「戦後」を終了させ、アジアの中での「新時代」を築くための具体的視点を提示したものです。
その「現実にある日中関係」を前提にした冷静な議論は、日中米ソ・国際平和の可能性を追求し続けた石橋湛山の思想にふさわしいものとして、高く評価されました。