石橋湛山賞

2006年(第27回)の授賞作

小菅 信子氏 (山梨学院大学法学部政治行政学科教授)
『戦後和解』(中公新書 2005年7月刊)

 2006年度・第27回の石橋湛山賞(石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社協賛)は、山梨学院大学教授・小菅信子氏の『戦後和解』(中公新書、2005年7月刊)に決定いたしました。全国の有識者からご推薦いただいた50編に近い著作・論文の中から、厳正なる審査を経て選考されました。

授賞作は、第二次大戦後の戦後和解の実際をドイツと日本(特に東京裁判の不完全さ、日英関係の修復)の例で検証しながら、今日の戦争では講和=忘却となりえない現実を分析し、特に日中和解の可能性を追究しています。

 小泉政権下で軋轢が拡大した日中・日韓関係を考えるうえでも、「過去を踏まえて未来を見据え、いかに妥協を決意し、許しをデザインするか」という視点が、高く評価されました。