石橋湛山賞

2005年(第26回)の授賞作

藤原帰一氏 (東京大学大学院・法学政治学研究科教授)
『平和のリアリズム』(岩波書店 2004年8月刊)

 2005年度・第26回の石橋湛山賞(石橋湛山記念財団主宰、東洋経済新報社協賛)は、東京大学大学院教授・藤原帰一氏の『平和のリアリズム』(岩波書店、2004年8月刊)に決定いたしました。全国の有識者からご推薦いただいた70編に近い著作・論文の中から、厳正なる審査を経て選考されました。

 授賞作は、湾岸戦争以降に書かれた著者の論文集ですが、冷戦の終結から最近のイラク戦争までの国際政治を、丁寧に分析したものです。

 右傾化する最近の風潮の中で、対米優先の限界、現実的な平和構想などについて、国民の意識を問う姿勢およびその視点は、石橋湛山の自由・民主・国際平和主義の思想に通ずるとして、高く評価されました。