石橋湛山賞
 

2003年(第24回)の授賞作

神野 直彦 氏(東京大学大学院経済学研究科教授)
『地域再生の経済学――豊かさを問い直す』(中公新書 2002年9月刊

 今年度も400人余りの有識者アンケートによる22点の候補論文・著書をもとに、予備選考をへて、選考委員の相田雪雄、叶芳和、宮崎勇各氏の合議によって、最終的に神野氏の『地域再生の経済学』に決定しました。受賞作は、戦後の市場原理主義に基づく中央集権型工業化・都市化が、今日の地域衰退をもたらしたと批判し、ヨーロッパや国内の各地に範をとりながら、自立した個人を核とする持続可能な地域分散型モデルへの転換を求めたもので、そこに込められたリベラルな思想的立場は、石橋湛山の地方分権論と見事に合致している、として高く評価されました。