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グローバル経営戦略フォーラム クロスボーダーM&Aと買収後経営

協賛企業講演I

M&Aが株主価値を増大させる四つの主な鍵

 日本企業は、その遅れを取り戻すために何を対応すべきだろうか。

 ボスケッティ氏は、同社の豊富な経験に基づくベスト・プラクティスとして、M&Aによって株主価値が増大される鍵を四つ挙げた。

 まず一つ目は、即応力の重要性である。即応力とは、M&Aに対する準備ができているかということだ。人材に対するトレーニングを含め、M&Aに対する即応力を備えた企業は、業界他社に比べ平均以上の株主価値をもたらす可能性が高いという。

 二つ目は、ここ10年ほどの間に、デューデリジェンスの質が高まっていることだ。一般的に、デューデリジェンスは過去にフォーカスするものである。だが、重要なのは未来である。統合後に従業員の解雇を行わなければならないのであれば、その対応も含めてあらかじめ計画しておく必要がある。解雇の制約はもとより、退職金、年金などについても、それぞれの国で特有の法律や慣習があるため、注意が必要だ。

 三つ目は、昨今の買収企業において、当該ディールに関する基本的な経済性や将来性について理解が高まっている点だ。買収企業がプレミアムを支払う理由は、統合によって生じる潜在的なリスク以上に潜在的な成長力を見込めるからである。ボスケッティ氏は、潜在成長力を高めるために取り組むべき課題として、組織設計、ガバナンス、人材活用、企業文化ほか、複数のテーマを紹介した。あわせて、成功しているディールの共通要素として、早期に集中的に人材関連の課題にフォーカスしていることを示した。

 M&Aが株主を増大させる四つ目の鍵は、「実施」だ。ベストなプランでも実施方法を誤れば失敗しかねない。人材に関しても、臨時業務ではなく、統合達成に向け専念させることが必要だ。デューデリジェンスだけでなく、その後のしっかりとした統合プランが重要だという。

 講演の結びとしてボスケッティ氏は、「M&Aは現実的な成長戦略の一つであり、アジアパシフィック地域での成長に今後ますます重要となってくることは明白。欧米企業の失敗から学び、それを繰り返さないことが大事です」と話した。そのためにも、タワーズワトソンのような経験豊富なアドバイザーをパートナーに選ぶのも賢明な方法の一つだろう。

M&Aが株主価値を増大させる四つの主な鍵