経営改善に活用できるJCSI 情報提供やメニューを拡充し支援

 JCSIは単に「満足度」を集計するだけでなく、利用経験のある幅広い顧客を対象に、サービスの利用前から利用後までの全体をきめ細かく調査する。このことにより、サービス品質に対する顧客の「満足・不満足」の評価が、どのプロセスに要因があるのかがより具体的にわかる。「クチコミ(友人・知人への推奨)や再購入も含めて、次にどう行動するかといった因果関係も明らかになります」(小川氏)。商品やサービスを購入したり利用したりする人の心の動きまで「見える化」すると言ってもいい。

 JCSIが人気投票のような一時的なランキングと大きく異なる点はそこだ。JCSIは調査対象の選定、質問項目や結果の検証など統計的な方法論を駆使した信頼できる指標であるため、中長期的なレンジで自社の顧客満足度の変化を把握することができる。 むろん、自社業界内のみならず、「日本の全サービス産業の中での自社」のポジションを客観的に知ることもでき、自社のサービスについて、何を改善すべきかという判断にも役立つだろう。JCSIは、文字どおり経営目標として有効に活用できるツールなのだ。

 サービス産業生産性協議会では、3年余りの開発・試行期間を経て、調査結果を段階的に発表してきた。3月に公表を迎えた個別企業のデータについても、その注目度は高く、産業界での活用に向けた動きが加速している。

 「今後はさらに企業の皆様に活用していただきやすい情報提供やメニューの拡充を進めていきます。サービス業の海外展開が進む中で、日本企業の国際競争力向上にも貢献できると考えています」(小川氏)。

 JCSIの普及・定着が進めば、顧客にとっても商品・サービスの選択に活用できるようになるだろう。また、サービス産業の生産性向上は、そのまま日本全体の生産性向上へとつながる。それだけに、JCSIに掛けられる期待は極めて高い。

JCSI因果モデル図

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