サービス産業生産性協議会は、製造業の品質改善のノウハウをサービス業に生かすという取り組みをはじめ、さまざまな活動を行っています。
現在のマーケットでは、たとえば、自動車であれば品質のみならず、販売からメンテナンスまでのトータルなサービスを含めて良し悪しが判断されるなど、製造業、非製造業という単純な区分ができなくなっています。今後は、あらゆる産業においてサービス化が進んでいくでしょう。
これに加え、グローバル化やボーダーレス化が進む中、業界内でシェアや売上高を競っていた時代は終わり、業界外、さらには外国の企業と競争しなければならない時代になっています。 私たちがJCSI(日本版CSI)の開発に取り組んできたことには、まず日本のサービス産業全体の生産性向上につなげたいという思いがあります。
残念ながら、日本のサービス産業は海外に比べて生産性が低いという傾向がありますが、その一方で、おもてなしの心など世界でも類をみない高品質なサービスは高い評価を得ています。 このよさを生かせば、世界でも十分な競争力を発揮できるポテンシャルがあります。サービス産業は質が見えにくく、課題の抽出が難しいため改善も難しいとされてきましたが、JCSIができ、サービスの品質が顧客の視点か ら数値化され、誰にでもわかりやすくなりました。中国の企業などと比較すると、日本企業は価格などの面では不利ですが、トータルな付加価値提供ではまだまだ優位性を発揮できると考えています。特にサービス産業の分野に は大いに成長の余地があります。サービス産業生産性協議会では、今後、個別企業のコンサルティングや、製造業も含めた幅広い業界への指標の提供なども行っていきたいと考えています。
JCSIは、日本企業の皆様に大いにご活用いただけると自負しています。得点の比較に一喜一憂するのでなく、ぜひ経営改善に役立ててほしいと願っています。