銀輪の巨人

野嶋 剛著
2012年6月1日 発売
定価 1,760円(税込)
ISBN:9784492502341 / サイズ:サイズ:A5判/ページ数:224


とてつもない自転車メーカー

「台湾巨大機械」とは何者なのか!?


 

エコでクリーンで健康的な移動手段として、世界的な自転車ブームが起きている。その中心にいるのが、世界最大の自転車ブランド、GIANT(ジャイアント、正式名称は「巨大機械工業」)だ。



同社は、自転車レースの最高峰「ツール・ド・フランス」を制し、フレームの世界シェアでトップに立っている。同社は台湾で生まれ、いまも台湾に本社を置く台湾メーカーだ。自転車産業といえば、かつて日本勢が抜群の実力を誇っていた。ブリジストン、丸石、ミヤタ、ナショナル……。だが、いまや昔日の面影はない。シマノのような部品メーカーを除けば、日本の自転車産業は壊滅してしまったといっていい状況だ。なぜなのだろうか? 



そこに現在のエレクトロクス産業をはじめとする日本製造業の不振の構図が二重写しになっている。つまり、自転車産業は日本製造業の将来を暗示しているのだ。台湾で生まれた世界最大メーカーの知られざる実態に迫りつつ、日本の産業界で強烈な警鐘を鳴らす衝撃のノンフィクション一冊。筆者は朝日新聞元台湾支局長。


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概要

エコでクリーンな自転車に世界的な関心が集まっている。だが、かつての銀輪王国ニッポンの自転車産業はすでに壊滅。現在世界を席巻する台湾の高級メガブランドの実力と正体を描く。

目次


    Warm Up   序走
第1走 1st Stage  ジャイアントと劉金標
第2走 2nd Stage  脱OEMとブランド確立へ
第3走 3rd Stage  中国という「戦場」で勝つ
第4走 4th Stage  「Aチーム」という奇跡
第5走 5th Stage  自転車産業が衰えた国、日本
最終走 Final Stage 自転車という文化を売る会社
    Last Run   おわりに

 

著者プロフィール

野嶋 剛
のじま・つよし

1968年生まれ。上智大学在学中、香港中文大学や師範大学(台湾)などに留学。 1992年に朝日新聞に入社し、社会部などを経て、1997~98年に中国・アモイ大学で客員研究員。2001年にシンガポールに赴任し、イラク、アフガン戦争で現場取材を担当。2007年から2010年まで台北支局長を務め、現在は朝日新聞国際編集部次長。 著書に、『イラク戦争従軍記』朝日新聞社、『ふたつの故宮博物館』新潮選書、『謎の名画・清明上河図』勉誠書房。