セカンドライフ参入企業座談会 02
第2回 バーチャルワールドで何をやる?

■日本テレビの土屋敏男エグゼクティブ・ディレクター
土屋 2年前から、「第2日本テレビ」としてインターネット内での動画配信をスタートしました。第2日本テレビのトップ画面は、ちょっとノスタルジックな雰囲気もある商店街になっています。
これは、「インターネット=30歳代男性の利用が中心」というイメージはちょっと違うんじゃないかと思っていたからです。おそらく、もっと幅広い人がインターネットを利用するようになるはずだという確信があったから、いわゆるインターネットのイメージとは違うトップページデザインとしたのです。
土屋 そんなことを考えていましたから、セカンドライフを見て、「これだ!」と思いました。バーチャル世界での体感ということを、具現化したサービスが始まったと思いました。そこですぐにセカンドライフ内での番組制作を決めました。
若井 すでに放送は始まりまったのでご覧になった方もいると思いますが、土屋をはじめ、3人の出演者そっくりのアバターを作り、そのアバターが番組を進行しています。
■10月10日深夜放送の「デジタルの根性」の収録は10月9日に行われた。左から土屋氏、千原ジュニア、馬場典子アナウンサーのアバター。次回放送は10月17日(水) 深夜25時29分〜。
土屋 通常の番組と違って、バーチャルスタジオだったら出演者は全員自宅にいるのに番組収録を行うことも可能です。
それにこれまでの番組作りに参加するクリエイティブというのは、修行を積む必要があった。ところが、バーチャル世界では修行なしに才能を発揮している人というのも出てきています。
しかも、全世界向け発信も可能だし、全世界からクリエイティブな才能を募集することもできる。新しいクリエイティブを発見する場としてセカンドライフが活用できるのではないかと思っています。
若井 バーチャルな3次元世界というと特別なものに思えますが、よく考えると、テレビの中というのも3次元世界の一つであるともいえますから。
実は仮想世界はテレビとは相性がいいのかもしれません。
土屋 カメラワークといった点では、テレビを超えますよ。いきなり水中に潜る、飛ぶなんてことはテレビカメラでは実現できませんから。その割にセットを作る予算はほとんどゼロというのも有り難い(笑)。
牧野 先ほど、3月末に参入を決めて、実際にSIMをオープンしたのが9月だといいました。
随分期間が空いているわけですが、その間、進めていたのは「バーチャルワールドで何をすべきか?」という検討でした。バーチャルな世界でしかできないことをやるべきだという意見もありましたが、結局選択したのは「あえて、リアルな世界と同じことをやる」ということでした。
セカンドライフ内でもサントリーは清涼飲料・酒類商品を提供しています。それもその時点で購入できるものばかりです。提供も無料ではなく、リアルと同じく、有料としました。

■バーではサントリーの様々なウイスキーを購入することができる。グラスの中で氷が鳴る音が本格的。雰囲気バツグンで、思わずリアルでも飲みたくなってしまう。

■ジョッキ生も2リンデンドル(円換算で約1円)で売っています。


■自動販売機では「ペプシ」「ボス」などの清涼飲料が有料販売
若井 実は日本テレビでも、コンテンツを見てもらうためにテレビを配布していますが、「有料にしようか?」と検討しましたが、そこまで踏み切れませんでした。ですから、サントリーさんの試みには大変、興味があります。

■日本テレビの若井真介氏とサントリーの牧野清克氏
牧野 セカンドライフの企業SIMでは無料配布が基本になっていますが、せっかく仮想通貨(リンデンドル)があるのだから、それを使う楽しみも必要だろうと考えたのです。
新谷 実はサントリーさんが自動販売機を使い、有料で飲料を売りたいと相談を受けた時に、「絶対に止めた方が良い」と大反対しました。ところが、実際には1週間で予想を大きく上回る販売数となった。私の予想は大きくはずれたわけです(笑)。
リンデンドルはセカンドライフ内で使い切る
若井 当社がグッズの有料販売を行わなかった理由が、収益に伴う税制面での問題です。仮想通貨は米ドルに換金できますが、その際の税務処理はどうされているのですか?
牧野 その点は社内で協議の結果、仮想通貨はあくまでその世界で使いきってしまうことにして、現実のお金にするのはやめると決めたことで解決しました。
商品を有料で提供するのがよいのか、無料で提供するのがよいのかについては、色々な可能性があると思います。当社はその可能性のひとつとして「有料で商品を提供し、お金を使う楽しみを実感してもらう」というトライアルをしたのだと思っています。
土屋 色々なトライアルをしないとわからないというのは、私も実感しています。
これまで2年間、インターネット動画配信を担当して、ようやくテレビとインターネットの基本理念の違いを実感できるようになった。先ほどお話しした、クリエイティブの発掘というのもやってみて始めて理解できた可能性です。
新谷 今回、参加していただいた皆さんをはじめ、ほとんどの企業が「セカンドライフに参入したら、こういうメリットがある」と答えをわかっているわけではないと思うんです。
体感しながら、答えを探しているといった方が正解でしょう。にもかかわらず、参入前から答えを求めようとすると、かえって参入が難しくなってしまう。
若井 「セカンドライフで、こんなビジネスモデルが可能」といったニュースを見かけます。が、自分達で試行錯誤することで、ビジネスモデルだって自分達で見つけたかったという気持ちもあります。
実際、色々なビジネスが可能だと思うんです。当社が配布しているテレビには、メーカーさんのロゴを入れてもらって配布することだって可能です。
東芝さんからご要望があれば、「東芝 REGZA」とブランドを入れることもできますよ。

■日本テレビが無料配布中のテレビ。これがREGZAデザインに変わるか??
荒井 (笑)それは魅力的なお話だと思います。
当社の場合、サントリーさんとは逆に、あえて実際の商品ではなく、トウシバ犬やぱらちゃんといったキャラクターを使ったプロモーションを展開してきました。
日本テレビさんのお話は、新しいビジネス展開として確かに魅力的なものなので、座談会が終わったらゆっくりお話させていただきたいと思います(笑)。

■東芝ノートパソコンのキャラクター「ぱらちゃん」。奥に並んでいるのはサントリーがセカンドライフ内でも販売しているブランド群
明日は第3回を掲載します!お楽しみに!!
投稿者: Nihonbashi Writer 日時: 2007年10月11日 14:39 | パーマリンク| 最新ニュース
