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「レンタルお姉さん」というのは、ニートやひきこもりの若者に働きかけ、社会に引き出す仕事をしている女性たちのことだ。最近、テレビや雑誌で特集される機会も増えたから、名前くらいは知っている人もいるかもしれない。「ああ、聞いたことありますよ」という程度なら。ただそのあとに、「あれって風俗じゃないの?」と続くことも多いのだが。
ニート・ひきこもりの若者支援を行っている団体に、NPO法人「ニュースタート事務局」がある。「レンタルお姉さん」というのは、そこで働く女性スタッフのことだ。もちろん「レンタルお姉さん」というのは、きちんとした正式名称。 彼女たちの仕事内容は、ニートやひきこもりの子を持つ親の依頼から始まる。ニート状態が長期化してくると、親は子どもに対して、どうしようもなくなる。そこで外部機関に相談するのだ。 親と事務所側で合意がとれれば、レンタルお姉さんの活動が始まる。 最初の一歩は、手紙だ。読まれずに捨てられることも多いが、彼女たちは若者に向けて何通も送る。次に、電話。そこで話ができれば上出来だが、実際には電話口に出てもらえないことも多いし、怒鳴れて切られることもある。 そして、最後に訪問。 何時間もかけて出向いても、部屋にとじこもって出てこない若者には、ドア越しに話し掛ける。徹底的に無視してテレビゲームに励む若者にも、話し掛けてなんとか会話の糸口を探そうとする。彼女は実に、ひたむきだし、けなげだし、また、たくましい。 帯に「ニートを動かす強さと優しさ」と書いた。ニートの若者を動かすには、叱るだけではだめだし、励ますだけでもだめ。強さと優しさが必要なのだ。
本書は、そんなレンタルお姉さんたちの活動を5年にわたって取材し、それをまとめたルポルタージュだ。待ち合わせ場所に来ない相手を6時間待つ姿や、暴力を受けながらもそれを「社会に引き出すチャンス」だと捉える彼女たちの姿は、感動的ですらある。
本書は、来年1月にNHKでドラマ化される。「レンタルお姉さん」役を演じるのは、水野美紀。彼女がどんな「レンタルお姉さん」を演じるのか、今から楽しみで仕方がない。(中里有吾)
「レンタルお姉さん」 荒川龍(著) 定価1575円(税込み) |
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