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なぜ350年も続くのか?京都花街という「ビジネス」の秘密をあざやかに解き明かす。 |
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経営学者が「京都花街」を分析 本書が他の京都花街に関する書籍と一線を画しているのは、著者が「経営学者」である点。「舞妓はんはかわいいなぁ」「芸妓はんはきれいやなぁ」という感嘆に終わることなく、京都花街を350年以上続く「ビジネス」としてとらえ、その強さの秘密を分析している。350年間も続き、今なおその売上規模を拡大させている経営の秘訣は、現代の日本企業の経営にも多くの示唆を与えてくれるはずだ。
5年間におよぶフィールドワークの成果が結実 今年は映画『舞妓Haaaan!!!』(脚本宮藤官九郎、監督水田伸生、東宝)が公開されたが、そのブームの尻馬につく書籍ではない。筆者は本書執筆の前に、足かけ5年におよぶフィールドワークを実施している。お茶屋の現場に入り込み、複数の芸妓さん、舞妓さんをはじめ多くの関係者に話を聞いているからこそ、普通では知り得ない経営の秘密を分析できたといえる。
「伝統」と「革新」が同居する街 京都花街の強さの秘訣を一言で言い表すならば、「伝統と革新の融合」となるだろう。伝統でがちがちに凝り固まった業界であるという印象を持たれている方も多いと思うが、実は時代の変化にしなやかに対応し、柔軟に変化してきた。それも既存のシステムを排除し、まったく新しいシステムを構築するという手法ではなく、既存のシステムを修正し、応用して運用することで、激変する経済環境に対応してきた。その結果、一見古臭く、非合理的なしくみに見えるものこそが、長期にわたる繁栄の基盤となっているのだ。 ドラスティックに成果主義を導入し、失敗してしまった日本企業は多い。成果主義に限らず、経済のしくみが激変している今、この京都花街の「ゆるやかで強靱な変化のしくみ」は、企業経営に多くの示唆を与えてくれるであろう。
「京都花街・豆知識」も満載 ここまで読んでくださった方は、本書に「お堅い経営書」というイメージを持たれたかも知れない。しかしそれだけではない。本書では、秘密のベールにつつまれた京都花街の豆知識もふんだんに紹介している。いくつか例を挙げてみよう。 ・芸妓さんと舞妓さんの見分け方 ・舞妓さんの経験年数の見分け方 ・「旦那さん」とはなにをする人で、どんな条件を満たせばなれるのか ・舞妓さんは一日いくら稼ぐのか ・京都花街もIT化している? ・舞妓さんに会える場所 本書を読んで京の街を歩けば、普段とはまた違った情緒に浸れるはずだ。
ビジネスの参考に、あるいは京都旅行の前に。ぜひご一読いただきたい一冊である。(桑原哲也)
「京都花街の経営学」 西尾久美子(神戸大学大学院経営学研究科COE研究員)(著) 価格1680円(税込)
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