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東京建物不動産販売 |
『週刊東洋経済』2006年11月11日号掲載 |
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総合不動産流通企業 「任せて安心」のマルチプレーヤー |
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この7月に東証第二部に上場した「東京建物不動産販売」のビジネスモデルは「総合不動産流通企業」―――
「仲介」、「アセットソリューション」、「販売受託」、「賃貸」の4つの事業がインテグレートして、
いずれも力強い成長を見せている。
それぞれの事業が複合的に連携することで、ワンストップで不動産ソリューションを提供する。
この会社の最高価値は、利益よりも「お客様の信頼」―――
激変する不動産流通マーケットにあって、「任せて安心」のマルチプレーヤーとして躍進を続ける。 |
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東京建物グループの「総合不動産流通企業」 |
社名からも明らかなように、東京建物不動産販売は東京建物のグループ企業である。旧安田財閥の創始者・安田善次郎が実に110年前に設立した日本有数の不動産会社。わが国の大手不動産会社の中でも1800年代にヒストリーが始まるのは、東京建物くらいのものだ。
その伝統に彩られた東京建物グループの不動産流通企業であることから、主に東京建物の開発物件を販売する会社というイメージが強いかもしれない。事実、東京建物が開発する「Brillia(ブリリア)」をはじめとする分譲マンションを、東京建物不動産販売は持ち前の強力な販売力で早期完売に導いている。
たとえば、2005年の販売受託戸数2128戸に対して、竣工の段階で未契約だった戸数はわずかに16戸で1%未満。顧客志向で物件の良さを顧客に伝えきる力が、はっきりと伝わってくる。 この販売受託のもう一つの特徴は、このところ東京建物以外のデベロッパーからの販売受託が増加していること。もともと強みのある大規模プロジェクトや都心の高額プロジェクトだけでなく、郊外のいわゆる団塊ジュニア層向けのプロジェクトでも見事な販売実績で多くのデベロッパーの信頼を集めている。 |
順調に供給戸数を拡大している東京建物の開発物件に加え、東京建物以外のデベロッパーからの販売受託が順調に積み上がっていることから、この「販売受託」事業は東京建物不動産販売の有力な柱であり続ける。
ただし、東京建物不動産販売は、単なる分譲マンションの販売会社とはまったく異なる。昨年度の営業収益全体に占める販売受託の営業収益は23%。という事実に、「総合不動産流通企業」としての東京建物不動産販売の輪郭がくっきりと浮かび出る。 |
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仲介を核とした事業のシナジー |
東京建物不動産販売は四つの事業……「仲介」「アセットソリューション」「販売受託」「賃貸」で不動産のトータルソリューションを提供し、急成長を遂げている。2006年12月期の営業収益は178億円(前期比33.0%増)、経常利益は26億円(前期比37.0%増)と3期連続の増収増益を見込んでいる。
各事業のうち特にここ数年大きく拡大しているのが主力の「仲介」事業である。その対象によって個人仲介(リテール)と法人仲介(ホールセール)に分けられるが、東京建物不動産販売は法人仲介の比率が80%以上で、特に都心部を中心とした収益不動産や開発用地などの仲介に強く、法人仲介のトッププレーヤーとして活躍している。
現在の不動産の好況は、実需と不動産投資の両輪によって牽引されている。不動産売買の買い手トップはJ-REITであり、私募ファンドを含めれば4割を超えるという調査結果もある。東京建物不動産販売は従来よりデベロッパーや戸建開発業者などの不動産業者の顧客が多く、また不動産投資を行っている投資法人や外資系企業などの法人顧客のベースも厚い。
一方で、メガバンクをはじめとする金融機関や旧芙蓉グループ企業、弁護士や税理士などにも精度の高い情報基盤を持つ。豊富な情報パイプラインと顧客の顔を想定したソリューションが提供できることが、法人仲介の強さの源。不動産ビジネスの中でも特に長年の経験とノウハウの蓄積を要する法人仲介、その情報基盤をコアコンピタンスとして、東京建物不動産販売は高い実績を残している。
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常に時代を先取りした不動産ソリューションを提供 |
「仲介」の強さは、「アセットソリューション」と「賃貸」の強さにもつながる。法人仲介の情報基盤に集まる物件の中には、東京建物不動産販売の不動産ソリューション力を駆使すれば価値が高まる不動産もある。その場合は自ら取得し、バリューアップして再販する。また、不動産ファンドに出資することによって、インカムとキャピタルゲインを配当で得るとともに、収益不動産の購入・売却の仲介や、プロパティマネジメントの 受託など多様な事業機会を確保する。
「賃貸」では、不動産投資市場の拡大に伴い、不動産投資マネーがオフィスビルだけではなく賃貸マンションへ流入。既存の賃貸マンションに加え、開発型賃貸マンションへの投資が急増している。また、賃貸マンションのオーナーの中心が、従来の個人の富裕層から、投資法人や外資系企業などの法人に変化している。
法人仲介に強い東京建物不動産販売は、日々の不動産取引からいち早くこれらの動きを予見し、2001年に高級賃貸マンションのプロパティマネジメントを専門に行う部署を設け、積極的に受託し、賃貸管理戸数を大幅に増加させている。プロパティマネジメント業務においては投資家別にオーダーメイドのレポーティングを行うなど、内外の投資家から高い評価を得ている。
高度化する不動産ビジネスの最先端では、単一の機能で足りるニーズは少ない。さまざまな機能のシナジーが不可欠になる。本物の「総合不動産流通企業」だけにマーケットの支持が集まる時代。東京建物不動産販売の時代である。
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「お客様の信頼」を積み重ねて「顧客評価No.1企業」へ。
 代表取締役社長 井上克正 |

――企業としての最高価値を「お客様の信頼」に置くことを企業理念で 宣言されていますね。
井上:よく利益を追求することが企業の目的と言われることがあるかと思いますが、当社はそういう考え方に組みしません。最も大切なことは、「東京建物不動産販売に任せておけば安心だ」という「お客様の信頼」であり、それを積み重ねて「不断の顧客創造」を実現し、「顧客評価No.1企業」に至ることが当社の企業目標です。これは単なるスローガンではありません。「お客様の信頼」は最高価値ですから、すべての分野で絶対的にお客様の信頼確保を優先させるということです。
――なぜ、利益ではなくお客様の信頼を最高価値とする経営を志向したのでしょう。
井上:私はごく当然のことだと考えています。街の鮮魚店やレストランも儲けを追って街の人々の信頼を失えば存続すらできません。企業の利益はお客様の信頼の結果なのです。このことは巨大企業に至るまでまったく変わらないでしょう。
――具体的にはどういう取り組みを。
井上:まずは、「お客様の信頼」を最高価値とする理念の社内への浸透です。これは簡単なことではありません。かなりの力仕事です。並行して、きめ細かなマーケティングを徹底します。売り手発想を排除して、お客様のニーズをバックグラウンドまでさかのぼってきちんと把握し、最適の提案を行う。当然、日々の創造、不断の革新が問われます。人材の質と量、そして情報基盤の厚みが必要です。
最後に、これが重要なのですが、こちらは信頼獲得のために最大限の努力をしたと思っても、本当のところ、お客様にとってどうだったかはわからない。独りよがりに陥らないように、常にお客様の声に耳を傾け業務にフィードバックします。
――この7月に上場を果たした最大の理由も、優れた人材の確保にあると聞きました。
井上:そのとおりです。アセットソリューション事業の拡大に伴って資金が必要になることは事実ですが、元々、フィービジネスがメインですので、資金需要が大きい業態ではありません。それよりも、上場に伴う知名度の向上によって、優秀な人材を確保できるメリットが大きい。ビジネスの拡大変化スピードが速い今日では、人材の質量の不足が企業成長のボトルネックになるからです。今後も事業規模の発展に合わせて、採用を拡大するとともに、社員研修やOJTの拡充などにより人材育成に努めます。
そして、上場のもうひとつの理由を挙げれば、コーポレートガバナンスの強化です。上場によって、われわれはより広く社会の注視の下に活動していくことになります。これによって、さらに社会公器性を高め、「顧客評価No.1企業」という目標に近づくことができるのです。 |
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