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“減収増益“が極めてポジティブなサインに――プロが読む市場動向と資産運用(1) - 09/05/13 | 06:00


運用業界のエバンジェリスト・岡本和久の資産形成塾■特別編

――現在の投資環境をどうとらえていますか?

 これまで、投資家は悪いニュースが次から次へと出てくるという恐怖感にとらわれていました。ただ現在では、各国の協力体制も固まりつつあることもあって、投資家の視点は、だんだんと金融混乱が起こったその次に移りつつあります。このまま一本調子で経済、マーケットが回復に入っていくことは多分ないのでしょう。しかし、日本でもひと口に失われた10年と言われますが、その間に良くなったり、悪くなったりということがありました。

 最近、欧米の金融当局の首脳からも、2010年には景気が回復するのではないかという見通しが出てきています。2010年といえば、もう来年です。株価は半年から1年ぐらい先行性があると言われますから、明るさが出てきているのもうなずけます。

 今のマーケットの底堅い動きの背景には「持っていない恐怖」があるのではないでしょうか。次に下がってくれたら買っておきたいと思う投資家が多いのでしょう。そんな時は、そう簡単には下がらないものです。弱気のコメントも「買いたい弱気」かも知れません。

 ちょうど1年半ほど前に、カップリングかデカップリングかという議論がずいぶんありました。「やっぱりデカップリングはウソだった。みんなそろって悪くなったじゃないか」という見方が出ていましたが、ここにきて、また「中国では公共投資のプロジェクトも多く内陸部の消費も活発なようだ。GDPも減速するとはいいながらも他国に比べれば高い。そういうところが世界の需要を引っ張っていくのではないか」といった声も上がってきました。実際には、どちらかに決めつけることが難しいということなのでしょう。

 今回の場合、特に日本で特徴的なのですが、在庫調整が極めて早いですね。従来は下請けまで含めて時間をかけて調整していたのが、今は全部ジャスト・イン・タイムでシステム化されているため、在庫調整といった途端、下請けまで含めて在庫調整があっという間に行われてしまう面があります。「100年に一度の大変な危機だ」と騒いだことで、在庫、生産調整を少しやりすぎてしまった部分もあるのではないかと思います。

 100年前といえば日露戦争が終わった頃です。戦争(第2次大戦)が終わって日本が廃墟となってからまだ60年しか経っていません。おそらくグリーンスパン(前FRB議長)は、100分の1の確率といった統計的な意味合いで「100年に一度」と語ったのでしょう。それがいつのまにか、「過去100年で一番ひどいことが起こった」となっていますが、そんなことはないですね。むしろ、それを口実に普段ではできないようなコスト削減策を大胆に行っている企業が結構あるのではないでしょうか。

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