新型が続々と登場するETF! そのカラクリと真実(3) - 08/06/26 | 17:10
国内ではすでに5本が上場廃止・繰上げ償還
また、ETFは、あまりに売買高が少なかったり、解約が増えたりすると、採算割れ・上場廃止で繰り上げ償還のリスクがある。 日本でもすでに5本がこれまで上場廃止・繰上げ償還されている(表)。 バークレイズ・グローバル・インベスターズの「iシェアーズTOPIX」と「iシェアーズS&P/TOPIX150」、野村アセットマネジメントの「FTSE日本指数連動型上場投資信託」、野村アセットマネジメントと大和投資信託委託の東証輸送用機器株価指数連動のETFである。 これらの上場期間はいずれも3年程度で、受益者数が上場基準を満たさなかったのが上場廃止の理由とされている。 S&P/TOPIX150やFTSE日本指数など個人投資家にあまり馴染みの薄い指数を使っていたことや、同じ株価指数のETFが複数上場している。 そのため、先行上場し純資産の大きい大手国内運用会社のETFへ人気が集中したあおりを食ったかたちだ。
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上場廃止基準…受益者数が100人未満の場合において、1年間の猶予期間内に100人以上とならないときは、上場廃止とする基準。 ただし、猶予期間における値付日数比率が30%以上である場合は、猶予期間終了時点の受益者数が100人に達しない場合であっても上場廃止とせず、猶予期間を更新する取扱いとする。 当初は500人未満であったが緩和された。 猶予期間において一定の頻度で売買が成立しているときは受益者数の改善が期待できるものとして猶予期間を延長する仕組みを導入することとし、受益者数が速やかに基準に達しないからといって改善の機会を失い、徒にETF自体が終了・消滅することのないような工夫が盛り込まれた。
米国におけるETFの償還
ETFの償還は米国にはあるのだろうか? 実際、ETF大国・米国でも、短期間での上場廃止・繰り上げ償還が問題視されている。2008年2月にETFプロバイダーのクレイモア社は、同社が運用するETF37本のうち11本のETFをとりやめ、上場廃止にする。 同社によると、「廃止する11本のETFの総資産残高は、同社の米国におけるETF総資産の2%以下で、各ファンドの資産も大半が500万ドル未満の小規模なETFだという。」とあった。 そのうち3本は昨年6月に上場したばかりで1年経たずして償還となる。 6月には米アメリストックが5本の債券ETFを上場から1年経たずして廃止すると発表した。運用を続けていくだけの十分な資金が集まらなかったためという。ETF大国の米国では投資家獲得競争が激しさを増す一方で、景気悪化の影響もあり、今後、出来高の少ないETFは淘汰が進むと予想される。
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本数が増えるだけでは再び信頼失墜も
市場のニーズは出してみないと分からないところもある。 だから設定が多いことが悪いこととはいわない。 やむなく償還ということもあるだろう。 ETFやインデックスファンドのような低コストの商品は、長期投資に最適と薦められることが多い。 しかし低コストファンドには償還リスクがあることも十分認識すべきだ。 自分の持っていたETFが上場廃止となれば長期投資を考えていた投資家の失望は大きいだろう。 ただ、償還リスクの小さい商品を見つけるのは大変難しい。 日本で上場廃止になった「iシェアーズS&P/TOPIX150」など「iシェアーズ」シリーズを提供しているBGIは、ETF世界最大手である。 そして同銘柄のベンチマークは上場当時、理想的と称賛されていたという経緯がある。
今年6月6日に改正金融商品取引法が成立、国内ETFの組み入れ規制が緩和された。これにより、ETFの多様化に向け一層の規制緩和が進むことになる。東証など証券取引所や運用会社も新規上場に力を入れ始めている。 こうした流れから、日本でも、米国のようなETF多様化は急速に進むことになるだろう。 しかし、やみくもに本数だけ増やしていては、将来再び投資家の信頼を失う可能性もある。 コストが安く、日中リアルタイムに売買できるというETFの特徴は売買が活況であってこそのメリットである。多様化時代にあっては、ETFが、(1)投資家のニーズを読んでいるか、(2)商品の差別化を図っているか、(3)わかりやすいインデックスであるか――を見極めることはますます重要になるだろう。 ETF市場の健全な拡大を期待する。
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