ウォーレン・バフェットであっても、常に正しい保証はない――岩崎日出俊・インフィニティ代表取締役(第2回)(1) - 09/03/05 | 10:00

――ウォーレン・バフェットがニューヨーク・タイムスに「株を買っている」と寄稿しました。
1929年の10月30日には、財界の巨人ジョン・ロックフェラーが株式市場について、公式の声明を発表しました。「アメリカ経済の基礎的条件は健全であると信じます。そこでここ数日は、息子と私は健全な株を買っています」と。今回は、今日の世界最大の富豪であるウォーレン・バフェットが昨年の10月、ニューヨーク・タイムスに「人々が強欲な時に私は恐れ、人々が恐れている時に私は強欲になる。1カ月とか1年とか、短期的にどうなるかは予測はつかないが、いずれ株価は高くなるだろう。コマドリの来るのを待っていては、春は終わってしまう」と寄稿しました。
今回の金融危機においても、バフェットのバークシャー・ハザウェイの株価はダウほどには下落していません。常にS&Pを上回るパフォーマンスを獲得してきたバフェットの言動には、注目せざるを得ないでしょう。ただ、それでもバフェットが常に正しいわけではありません。
ひとつには、バフェットは大恐慌後、基本的には米国経済が右肩上がりだった時代に、投資を始め、富を築いた人であるからです。1929年に彼が投資を始めていたならば、元の水準に戻るのに25年はかからなかったでしょうが、その間は、キャッシュで持っていたほうがよかったでしょう。彼が長期投資、ファンダメンタズル分析で成功したのには、時代背景といったものもあるのです。
リーマン破綻後、昨年9月から10月にかけて、バフェットは、ゴールドマンサックスとGEの株を買いました。ただバフェットはバフェットであるが故に、極めていい条件を引き出したうえで、投資を行っているのです。優先株で10%配当が保証されていますから、10年で少なくとも投資金額は回収できる。おまけに普通株に転換する権利も付いており、投資先がつぶれない限り、株価が回復すればこのオプションが行使できるのです。ですが、それでも「少し早かった」と後悔はしているでしょう。彼以上の投資家がいないことは確かですが、それでも大恐慌には勝てないのです。
――今、この状況で、企業のファンダメンタルズをどう読みますか。優良企業の象徴としてのトヨタ自動車を例にとると?
ファンダメンタルズ投資家としての最高峰であるバフェットは、トヨタ自動車の株式を買っていません。「バフェットは日本株は買わない」という人もいるでしょうが、中国のペトロチャイナに投資した実績があります。日本株と中国株を比較すれば、透明性などの観点からは遙かに日本株が優れているのですから、バフェットもトヨタは見ているでしょうが、投資していないということです。
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