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生活者の目線で「30年投資」の旗を揚げたコモンズ投信――新たな投信のあり方に挑む(第1回)(3) - 09/01/26 | 15:00

――「見えない資産」への投資とは、どのようなものでしょうか。

伊井哲朗社長 もちろん「見える資産」は大事であり、われわれも30年くらいまでデータを調べて定量的な分析を行います。これに対して、経営者の考え方、企業ひとり一人の従業員の方の情熱や志、コーポレートカルチャー、あるいはお客様がすごくいい、下請けの企業がすばらしいなどといった「見えない資産」の数値化は難しく、通常の投資では見過ごされがちです。われわれコモンズは、この「見えない資産」も含めて、生活者の目線で会社を360度の視点を通じて、企業価値を評価することが大事と考えています。

 「見える資産」に関する情報は、プロであれ個人投資家であれ、すべて手に入る情報ですから、そこに超過収益の源泉はあまりないと考えています。それよりもむしろ「見えない資産」も含めて評価することで、「この企業は、数字は伸びているが、あぶなっかしいな」とか逆に、「まだ数字は出ていないけれども、将来伸びていくのではないか」といったことがわかります。ここに超過収益の源泉があるだろうと考えているのです。

 米国の著名な学者であるジェレミー・シーゲルなどは、「20年を超えて初めて景気サイクルを乗り超えた投資パフォーマンスが出る、それが長期投資の時間軸である」と語っています。短期間ではいろんな環境変化が起こりますが、「この経営陣、社員、お客様、取引先などがいれば、ずっと持続的に困難を乗り超えていけるのではないか」といった判断は、「見えない資産」の評価がないとできないのです。30年という目線で考えた場合に、足元のデータをいくら分析してもわからない。長期投資を行ううえでは「見えない資産」の評価が欠かせないと考えています。

 そのためにも日々、企業との対話を続けていくことが大事となります。「見えない資産」の評価は主観的要素が入り、コモンズは主観的評価も入れて企業を選んでいきますが、われわれは企業とお客様の対話の機会を設けていきます。自分で株を買っても企業にコンタクトはできなくても、コモンズのファンドを買っていればお客様は企業との対話ができるわけですから、お客様からみて安心感が高まるでしょう。
澁澤健 澁澤健(しぶさわ・けん)
財団法人日本国際交流センター、ファースト・ボストン証券会社(NY)、JPモルガン銀行(東京)、JPモルガン証券会社(東京)、ゴールドマン・サックス証券会社(東京)、大手ヘッジファンドムーア・キャピタル・マネジメント(NY)を経て、シブサワ・アンド・カンパニー株式会社を創業し代表取締役に就任、2008年9月にコモンズ投信会長職も兼任、現在に至る 。経済同友会幹事、渋沢栄一記念財団理事、日本医療政策機構理事、健康医療評価研究機構理事、学校法人文京学園評議員

伊井哲朗 伊井哲朗(いい・てつろう)
山一證券で営業企画部に約10年間在籍。マーケティング、商品戦略などを担当、その後、機関投資家向け債券セールス。メリルリンチ日本証券、三菱UFJメリルリンチPB証券にてミドルマーケット及びウェルスマネジメント業務を約10年間経験。2008年9月にコモンズ投信代表取締役社長に就任、現在に至る。

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