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大きな差が出てくる退職後の資金運用――リターン・シークエンス・リスクを考える(1) - 11/11/28 | 10:13


岡本和久 I-Oウェルス・アドバイザーズ社長


 退職後の資産運用で浮上する問題の1つにリターン・シークエンス・リスクがあります。

 リターン・シークエンス・リスクとは、平均リターンが同じでも、リターンがどのような配列、どんな時期に発生するかで、その後の資産残高に大きな差がついてくる、ということです。

 たとえば、以下のような前提を考えてみましょう。

 今、退職後の資産運用のために、平均リターン3.5%が期待できるポートフォリオを組んだとします。もちろん、あくまで「平均リターン」ですから、毎年のリターンは平均3.5%の周りに散らばることになります。その散らばり具合がリスクなのですが、ここでリスクが8.5%とします。
 
 その意味するところは、ほぼ3分2の確率で、平均(3.5%)プラスマイナス8.5%(つまり▲5%〜12%)の間にリターンが入るということです。さらに、95%の確率で、平均プラスマイナス8.5%の2倍のレンジ(つまり▲13.5%〜20.5%)に収まります。

 ここに64歳で退職し、3000万円を保有している人がいるとします。この人は年金を補填するため、毎年120万円を運用資産から引き出すことを考えています。そして、この人が100歳まで生きると仮定しましょう。期待する平均リターンを3.5%、リスクを8.5%として、ここで以下の2つのケースを想定します。

■不運シナリオ

 初年度にリスク2単位分(17%)下振れ、2年目に1単位分(8.5%)下振れる。その後、平均よりは少し高いリターンを実現し、最終的には36年間の平均リターンが3.5%となる。
 
■幸運シナリオ

 初年度にリスク2単位分(17%)上振れ、2年目に1単位分(8.5%)上振れる。その後、平均よりは少し低いリターンが続き、最終的には36年間の平均リターンが3.5%となる。

 両方ともかなり極端なケースですが、違いをはっきりさせるためにこのような前提としました。簡単な試算をしてみると、驚くほどその違いが大きいのがわかります。

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