親子就活 親の悩み、子どものホンネ 中村昭典著(1) - 10/07/30 | 07:50


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 いわゆる「就職本」というジャンルは1990年代のはじめに生まれ、業界本、SPI本、面接本と複数のカテゴリーを派生させてきた。そしてこの数年で「就活本」というカテゴリーが発生した。現在も大学生協を中心に売れ続けている「就活のバカヤロー」はその代表と言っていいだろう。

 これまでの就職本は、就職活動のノウハウ、心構え、テクニック、知識を教えるものだったが、新カテゴリーの書物は「就活」そのものをテーマにし、著者も採用PR業界の人ではなく、30代前半の若いジャーナリストが多い。自分の足で取材し、発見したことを切れ味鋭い文章で書くからおもしろい。

 ただ長らく採用PRに携わってきた者として言えば、間違いもある。

 一番気になるのは就職協定。就職協定は産業界の主要企業が、新卒採用が過熱しないように取り決めた紳士協定で、1952年から存在したらしいが、1962年に一旦廃止になった後、1972年に復活している。1986年から1995年まで続いた就職協定では、8月20日会社訪問開始、11月1日内定解禁とされていた。

 「就活本」の若いジャーナリストたちの中には、この就職協定が「実施されていた」と勘違いしている人がおり、そう書いている本が複数存在する。違うのだ。今ほどひどくないとは言え、その頃だって就職協定は有名無実だった。

 だれかがこの点を正す必要があると思っていたが、「親子就活」で詳しく解説してあった。いったん書物の形になると、記述が誤っていても一人歩きしがちだから、本書の指摘は重要だ。

 ちなみに若いジャーナリストが勘違いした理由はマンガだ。1990年前後のマンガには、夏になってから就職活動する様子が描かれている。このマンガ自体が間違っているのだが、一般人が「新卒」を描こうと思って調べれば、就職協定というものがあり、当然守られていると勘違いするのも仕方がないことだろう。
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