書評

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政権交代の経済学 小峰隆夫編著 〜経済学のキーワードをまぶした経済政策批判(1) - 10/07/26 | 08:00


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評者 津田倫男 フレイムワーク・マネジメント代表取締役

 政権交代、経済学という言葉の入る表題に政権交代を経済の視点から論じた著書かと思うと、これが違う。民主党のマニフェストを非民主党的観点から経済学のキーワードをまぶして検討する、いわば「民主党マニフェスト批判」である。エコノミストは政治的に中立である必要はないが、最初の数章であたかもそうであるように見せながら、実は痛烈に与党の経済政策に駄目出しをしている。

 ところで、経済を論じる際につきまとう不確かさはデータの解釈によるところが大きい。同じデータから正反対の結論が導き出されてしまうことも多々ある。辛らつに言えば、データを自分の理論なり、推論に合わせた形で加工するのが経済学者の腕の見せどころということになる。また歴史的に評価が定まらない政策、たとえば米国大統領F・D・ルーズベルトによる大恐慌から抜け出すべく打ち出された需要喚起策なども、最初から批判する立場から論じれば、それを補強するデータはいくらでも拾ってくることができる。最初に結論ありき、という形の啓蒙書であれば、それを事前に読者に知らせておくべきだろう。

 経済学に絶対の公理は極めて少なく、多くの理論や主張が仮説や推論に基づいていることも忘れてはならない。たとえば、限界効用逓減の原則しかりだ。万人の限界効用が同じであると仮定することは、ニーズが多様化する現代においては相当な無理を生じさせる。

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