書評

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だから人は本を読む 福原義春著 - 09/11/04 | 08:00


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 「私という人間は、今まで読んだ本に編集されてでき上がっているのかもしれない」。そのとおりなのだろう。幼少の頃から親の本を読み漁り、長じては古今東西の古典や気に入ったさまざまな分野の本を貪欲に読破し吸収してきた様が語られる。忙しくて本が読めないという人には、「そんなに忙しければ顔を洗わなければいい。どうして本を読むのだけ」は忙しいというのか、は至言だ。そして細切れでも「読書する習慣」をつくることを勧めている。

 「古典を読む意味とは」「読書を通じた知によって本当の価値を知る」「本離れで表現ができない日本人が増えている」など読書の本質と効用が語られるが、中でもウェブ情報頼りで本を読まなくなれば戦略や構想する能力が枯渇するという警告は重要だ。

 「読書で仕事が磨かれた」資生堂での体験は説得力があり、終章の出版界への苦言と提言は著者ならでは。読書の季節にふさわしい好著である。(純)

東洋経済新報社 1575円

    

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