営業から運用、調査と意外に広い保険の仕事【生保編】(5) - 08/11/13 | 05:00


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支払い部門という“要諦” 専門性問われる職集団

 だが、もともと保険金支払い等の専門性が高い部署は、いったん配属されると任期が長期化するのに加え、不払い問題による査定・支払い部門強化も手伝って、槙氏もすでに長期の在籍となっている。不払い問題以前は、査定から支払いまでの業務を一人でこなしていた時期もあった。だが、現在は組織的な対応が整い、査定は査定だけ、支払いは支払いだけと、社内の分業体制が整備された。

 支払い部では1日に10件以上の案件を査定するが、査定は「経験がものをいう仕事」だけに、最古参の槙氏には難しい案件が回って来ることが多い。保険金払いの仕事は、まず請求書類のチェックから始まる。支社や営業所で査定書類に不備がないか、診断書や死亡確認書が添付されているかなど、一通りのチェックが入る。その後、支払い部に書類が回り、死亡報告書であれば死亡事由、死亡日などを調べ、契約内容を再度、確認する。

 保険金を支払うにあたっては、告知義務違反や加入時の営業職員の手続きに不備がなかったか、さらに不慮の事故の場合はどのような状況だったかなどの要件確認が必要となる。要件が不透明な案件については、調査会社を使って、警察や病院への聞き込み調査を行うなど情報を収。集まった情報から判断して最終決定を下す。判断にあたっては医学や法律の判例などの専門知識も要求される。正確で適切な支払いをつねに心掛けているが、槙氏のようなベテランでも「客観的な情報を使って判断することは難しい。長年やっていても判断に迷うことはよくある」という高度な業務だ。

 残念ながら、支払い不可能との決断を下したときは「やりきれない思いを抱くこともしばしば。受取人に対し、支払えない旨を手紙にしたためるのだが、いつも悩みながら書いています」と槙氏。逆に被保険者の遺族から「本当に助かりました」と感謝の手紙もらうときには喜びもひとしおだ。今では「支払い部門こそ最重要部門だ」と感じるようになった。これからは「支払い部門の職人になろうと思う」(槙氏)。

 “職人”になるためにも、一度、営業現場で仕事をしたいと考えている。営業指導担当を経験したうえで、それからまた「10年後には支払いの仕事に戻りたい」と槙氏。支払い部門の魅力にすっかり取りつかれてしまったようだ。

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(生保・損保特集編集部)
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