急増する公立中高一貫校、広がる選択肢、魅力は学費の安さ!《本当に強い中高一貫校》 (1) - 09/07/08 | 17:20

従来の6・3・3制だけでなく、学校の選択肢を広げるために導入された中高一貫教育制度。1999年4月に宮崎県、岡山県に初めて公立一貫校が設立されてから、今年で10年が経過した。画一化や「荒れ」、授業時間数削減によって、私立に比べて地盤沈下したと指摘される公教育。その復権を目指す起爆剤にと、この間、全国各地で公立一貫校が相次いで誕生した。東京都では来年度、4校を一挙に開校。全国では合計172校になる予定だ。
そして今、深刻な不況の中で、公立一貫校への関心がますます高まっている。年収が伸び悩み、さらにはダウンも覚悟しなければならない現状を受け、私立受験に二の足を踏む家庭が増えている。安い学費で充実した教育を――。そうした願いに、公立一貫校は応えることができるのだろうか。
伝統の教養教育で自主的な学習態度を醸成
公立一貫校は、高い進学実績のある伝統校を母体にするケースが多い。千葉県立千葉高校(千葉市中央区)に併設された県立千葉中学校もその一つだ。県立千葉高校は近年、私立中高一貫校の渋谷教育学園幕張に抜かれるまで東大合格者数で県内首位だった進学校。旧制中学以来の「重厚な教養主義」を掲げて、受験対策にシフトしない教育を誇りにしてきた。入試問題を解くような授業には、生徒からブーイングが起きたといわれ、自主的な学問への探求心をくすぐるという学校の伝統は中学にも受け継がれている。
千葉中の授業は、生徒同士が高め合う「協同」の考えを軸に、生徒の参加を引き出すように工夫され、先生の説明を聞く見慣れた授業風景とはかなり異なる。数学の授業では生徒は4人1組で問題を解き、その解き方を説明。社会では1人の生徒が選んできた新聞記事を説明し、みんなの質問を受ける。英語も2人1組で作った会話を、みんなの前で披露する――といった具合だ。
総合的な学習は、グループで討論しながら個人の研究内容を磨き上げて研究し、中学3年で卒業論文を書くゼミ形式、チームで計画を立て、社会人講演会などの事前・事後学習を行うプロジェクト形式の2種類がある。生徒が訪問した先の大学教授が、熱心さに感激して講師を引き受けたこともあったという。
創立2年目だが、江崎俊夫校長は「自分で問題を見つけて判断できる力、教師に指示されなくても自分で学ぶ姿勢を身に付けた生徒を育てたい。そうすれば受験対策に走らなくとも結果はついてくる」と自信をのぞかせる。

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