プレスリリース

全都市住みよさランキング(2008年、第16回)の結果

(発表日 2008/6/3)

 (株)東洋経済新報社(代表取締役社長 柴生田晴四)では、全国の市を対象に「住みよさランキング」を毎年公表しております。このたび、本年6月3日現在の784都市(全国783市と東京区部全体)を対象にした最新結果がまとまりましたので、発表いたします。
なお、「住みよさランキング」は1993年以来、今回で16回目の公表となります。

 この結果は、2008年5月26日発売の弊社刊『都市データパック2008年版』にも掲載しております。総合順位1〜120位については、「住みよさランキング」をご参照ください。

総合評価のトップ3は守谷(茨城)、成田(千葉)、真岡(栃木)

総合1位は守谷(茨城)、つくばエクスプレスの影響大。

08年の住みよさランキングの総合評価1位は守谷市で、今回初めてのトップ。前回の7位から一気に1位へと躍進した。守谷市は茨城県の南部、東京(秋葉原)まで鉄道で30分余に位置するニュータウンのまち。快適度(2位)、富裕度(52位)、利便度(75位)、住居水準充実度(194位)で順位が高く、安心度(521位)以外の各項目で上位にランキングされたことが1位になった要因として考えられる。特に快適度は2位と評価が非常に高かった。「つくばエクスプレス」開通の影響で、大量の人口が流入してきたことにより、転入・転出人口、新設住宅着工戸数といった指標の偏差値が突出して高いことが快適度の高評価の大きな要因だ。また、富裕度に関しては、課税対象所得の偏差値が高く、利便度では大型小売店舗面積の偏差値の高さが貢献している。

2位は成田(千葉)、3位は真岡(栃木)

2位は千葉県成田市(昨年は3位)、国際空港都市・成田は、富裕度と利便度での高評価が上位進出に大きく貢献。富裕度では財政力指数、地方税収入額の偏差値が突出して高く、財政基盤の強さが大評価を支えている。また、利便度では小売業年間販売額、大型小売店店舗面積の偏差値が高い。3位の真岡は、各項目で評価が高く、バランスのとれた評価になっている。快適度では都市公園面積、新設住宅着工戸数の偏差値が高い。安心度では介護老人福祉施設・介護老人保健施設数、出生数の偏差値が高い。利便度では小売業年間販売額、大型小売店店舗面積の偏差値が高くなっている。

「快適度」で稲城(東京)、「住居水準充実度」で氷見(富山)がトップ

5つのカテゴリー別で見ると、「安心度」で糸満(沖縄)、「利便度」で中央(山梨)、「快適度」で稲城(東京)、富裕度で浦安(千葉)と武蔵野(東京)、住居水準充実度で氷見(富山)がそれぞれトップとなった。

「北海道・東北」では盛岡、「中国・四国」で高松、「九州・沖縄」で鳥栖(佐賀)が首位

 

地域ブロック別で見ると、「北海道・東北」で盛岡(岩手)、「関東」で守谷(茨城)、「北陸・中部」で福井、「近畿」で栗東(滋賀)、「中国・四国」で下松(山口)、「九州・沖縄」で鳥栖(佐賀)がそれぞれトップとなった。

住みよさランキングとは

 東洋経済が公的統計をもとに、現状の各市が持つ“都市力”を、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度の5つの観点・16指標からそれぞれ平均値を50とする偏差値を算出、その単純平均を総合評価としてランキングしたもの。今回で16回目。今回対象は08年6月3日現在の784都市(全国783市と東京区部全体)。

住みよさランキング算出方法

対象
全国784都市(全国783市と東京区部全体)。(2008年6月3日現在のすべての市を対象)

算出指標

[安心度]

  • (1)病院・一般診療所病床数(人口当たり)/06年10月:厚生労働省「医療施設調査」
  • (2)介護老人福祉施設・介護老人保健施設定員数(65歳以上人口当たり)/05年10月:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」
  • (3)出生数(15〜49歳女性人口当たり)/06年度:総務省「住民基本台帳人口要覧」

[利便度]

  • (4)小売業年間商品販売額(人口当たり)/04年:経済産業省「商業統計」
  • (5)大型小売店店舗面積(人口当たり)/07年4月:東洋経済「全国大型小売店総覧」
  • (6)金融機関数(人口当たり)/05年4月:全国銀行協会「金融機関コード一覧」

[快適度]

  • (7)公共下水道・合併浄化槽普及率/06年3月:日本下水道協会「下水道統計要覧」、04年3月環境省:「汚水処理人口普及状況」
  • (8)都市公園面積(人口当たり)/05年3月:国土交通省調べ
  • (9)転入・転出人口比率/04〜06年度:総務省「住民基本台帳人口要覧」
  • (10)新設住宅着工戸数(世帯当たり)/04〜06年度:国土交通省「建築着工統計」

[富裕度]

  • (11)財政力指数/04〜06年度:総務省「市町村別決算状況調査」
  • (12)地方税収入額(人口当たり)/06年度:総務省「市町村別決算状況調査」
  • (13)課税対象所得額(納税者1人当たり)/06年度:総務省「市町村税課税状況等の調査」

[住居水準充実度]

  • (14)住宅延べ床面積(世帯当たり)/05年10月:総務省「国勢調査」
  • (15)持ち家世帯比率/05年10月:総務省「国勢調査」
  • (16)住宅地地価平均/07年7月:国土交通省「都道府県地価」

評価方法

16指標それぞれについて平均値を50とする偏差値を算出し、その平均を総合評価とした。同様に、安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度は、当該指標の偏差値を平均したもの。また市町村合併をした市は、転入・転出人口比率など整備不能なデータを除いて算出している。