たとえば、主力の魚釣りゲーム「釣り★スタ」。最初は無料でも、大物や珍魚を釣り上げようとすると、特別な竿やエサなどの「アイテム」が必要となり、ポイントを貯めて購入しなければならない。グリーから直接ポイントを購入できるが、それ以外でもポイントを積み上げるために新しい会員を紹介したり、グリーに広告を掲載する携帯サイトへ加入するなど、会員は“奔走”する。また、SNSの特性を生かして釣り大会を催し、ランキングも表示。会員の競争意識をくすぐり、おカネを使ってしまう仕組みが巧みにちりばめられている。他のゲームでも基本的な収益構造はほぼ変わらない。
課金収入が大半を占めるグリーにとって成長持続には会員数拡大が不可欠。このため新規獲得を最優先課題に掲げ、ここぞとばかりにテレビコマーシャルを中心に積極的な広告宣伝を展開する。今下半期だけで約21億円の広告宣伝費を投入し、10年6月期も通期40億円を注ぎ込み、先行する2社を抜き去る構えだ。
追われるディー・エヌ・エーも、グリーと同じく携帯ゲームが屋台骨。運営しているモバゲーでもアイテム販売が収益源だが、主力はSNSの自己紹介画面に表示する「アバター」。アバターとは、いわば自分の分身として使うキャラクターで、洋服やアクセサリーなどさまざまなアイテムで着飾れる。これが友達と違った個性的なアバターを作りたいというニーズをとらえて大ヒットした。利益急増を牽引してきたが、目新しさが薄れたため、08年以降はアイテム販売が頭打ちに。既存会員の利用が低調になってきたのだ。
テコ入れを狙って、アバターが全身を使って動き踊れる機能を拡充している。“動き”を新アイテムとして販売する戦略について「かなりの手応えを感じている」(春田真取締役)と自信を見せる。さらにSNS内にとどまっていたアバターを、ゲームの中でも使えるようにするなど、利用シーンの拡大も計画。立ち遅れていたSNS連動型ゲームでも「開発リソースを重点的に投入して強化する」(春田取締役)と言う。
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