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J1名古屋グランパスの長すぎる低迷、Jでは「トヨタ流」の効力なし?(4) - 09/08/06 | 09:00


三菱、日産、トヨタ… サッカー界では実力逆転

 そうするうちに、サラリーマン集団であるフロントと現場の間で軋轢が増す。「上層部と現場では考え方の出発点も、物差しも違う。ここで勝負しようと考えるような社員はいなかった」(元スタッフ)。

 Jリーグクラブの経営に詳しい専修大学の飯田義明教授は、「言葉は悪いが、グランパスの場合、これまでフロントの手法が稚拙だったと言わざるをえない」と話す。

 日本のプロスポーツは、企業スポーツの延長線上にある。こうした問題は多かれ少なかれ、他クラブにも存在するかもしれない。しかし、経営側が必要に迫られ、プロ化していったクラブは実は身近に存在する。

 グランパスと同じオリジナル10で、親会社も同業者である浦和レッズは、三菱自動車の度重なる経営危機によりクラブの自立を促された。現日本サッカー協会会長の犬飼基昭氏が社長を務めて以来、独立志向を強くし、入場料収入を軸に営業収入はリーグで圧倒的な1位だ。

 営業収入で第2位の横浜F・マリノスは、カルロス・ゴーン氏の日産リバイバルプランを機に経営手法が変わったといわれる。ともに年間優勝の座も獲得している。サッカー界での順番は、三菱、日産、トヨタという逆転現象が起きている。

 グランパス経営陣も改革の必要性には気づいている。クラブ運営に精通する福島氏が事実上の経営トップに座り、柏レイソルや清水エスパルスで辣腕を振るった久米一正氏が、クラブ初のゼネラルマネジャーに昨年就任している。

 特に、外国人選手補強や新人採用などで変化が見えてきた。最近も主力選手の移籍に伴って、電撃的に外国人2選手を補強。新人スカウトについても、「以前は有力大学で活躍しているだけでOKが出ることもあった」(関係者)が、今は候補者のデータベースを作りそれを基に議論。さらに選手に練習場まで来てもらって、現場の判断も最大限考慮しながら決定するようになった。候補者の6〜7割は不採用になるという。

 監督はOBの切り札であるドラガン・ストイコビッチ氏が2年目。グランパスでの現役時代、絶大な人気を誇り、現在もどの選手よりも注目される存在だ。人気と実力の両面から判断した監督起用で、フロントは長期政権を支えるつもりだ。

 昨年は3位の好成績を収めたものの、一転、今季前半は大敗も多く順位は再び定位置に戻った。「万年中位」がこれ以上続けば、ファン離れが進みかねない。Grampusは、言わずもがなのシャチホコの意だ。さまよえる“ビッグクラブ”は覚醒するのか。ファンは今、その可能性を見極めようとしている。

(堀川美行 撮影 今井康一=週刊東洋経済)
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