病気の早期発見で医療費も税負担も減る
予防医療ビジネスを通じて、日本の医療費負担を軽減する――。「長野モデル」ならぬ「ケアプロモデル」。それが川添の最終目標だ。「たとえば、糖尿病患者が週3回透析に通うと治療費は年600万円弱。生活保護を受けている人は、全部税金で賄われることになる。もし、早期に発見して改善すれば、その分、医療費も税金も減る」。
国も昨年度から生活習慣病の原因とされるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の対策を目的とした特定健診・特定保健指導を開始。予防医療を強化する方向に傾きつつある。
とはいえ、国の医療費削減に貢献するには、1店舗では力不足。スポーツクラブやパチンコ店、あるいはイベントなどへの出張診療なども行っているが、客との接点を増やすには店舗の拡大は欠かせない。「米国のようなドラッグストア、あるいは駅ナカなど、もっと人が集まるところでやりたい」と言うが、現状では苦戦している。立地や費用といった採算面の問題もあるが、血液を扱うため、衛生面を気にする貸し手も多いようだ。
開業して1年足らず。事業拡大の本当の勝負はこれからだが、川添は「一人ひとりが健康になれば社会は元気になる。その手助けをケアプロはできる」と確信している。=敬称略=
(中島順一郎 撮影:尾形文繁、梅谷秀司 =週刊東洋経済)
川添高志(かわぞえたかし)
1982年生まれ。2005年慶応義塾大学看護医療学部卒業。経営コンサルティング会社、東京大学医学部付属病院を経て07年ケアプロ設立。
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