ところが、買収後の業績は右肩下がり。しびれを切らしたワコールは10年10月から川中副社長が中心となって構造改革に着手。赤字店舗閉鎖や社員の早期退職などの施策を矢継ぎ早に実施した。その結果、「3月以降は黒字ペース」(川中副社長)だという。もはや野口氏の経営者としてのカリスマ性は失われた。
野口氏は今後もPJ全体の営業や商品担当を担うほか、海外PJの社長は続投する。特に「中国は積極的な拡大が見込める」(塚本社長)と期待する事業だ。ただ海外は自身の知名度を生かしづらい。とはいえ、軌道に乗せられなければ、PJでの居場所を完全に失いかねない。
社長辞任後、ツイッターで「いままでよりクリエイティブ業務に専念できるので、お客様にも会社にも自分にとっても良い決断をしたと思っています」とつぶやいた野口氏。名誉挽回への壁は高い。
(鈴木良英 =週刊東洋経済2011年6月25日号)
※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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