バンダイナムコHDは、業績悪化の責任をとって、高須武男会長が代表権を返上を決めた。他の役員もすでに役員報酬を返上している。あわせて、バンダイナムコゲームズの鵜之澤伸社長が副社長に降格し、社長をHD社長の石川氏が兼ねる役員人事も発表した。
ゲームコンテンツと映像音楽を「コンテンツ事業」として実質的に統合し、そのなかで「プロデューサー」集団と「パブリッシャー」集団に分けたバーチャルな組織再編を行い、「中小規模の集団ごとに責任と権限を与え、切磋琢磨してヒットを生み出す体制」(同)づくりを急ぐ、という。
来11年3月期については、人員削減による人件費の削減効果(約35億円)、のれん償却費の減少(約35億円)など最低でも80億円の費用減効果が現れる見通しだ。また、今期膨らんだ在庫評価損も減少すれば利益底上げ要因となる。
ただ、問題は石川社長も強調するように、統合吸収で巨大化していく過程で弱まった「ヒット商品を生む力」を回復し、コンテンツ事業の成長力を再構築できるかどうか。パッケージ流通からネット配信へのシフト、3Dテレビに象徴されるゲームと映像ソフトの垣根の消失、といったコンテンツを取り巻く市場変化の荒波は容赦なく押し寄せてきており、「スピード感の回復」(同)が何にも増して重要な課題となる。
「東洋経済オンライン」は、来期は上記の費用減の効果が期待できるものの、コンテンツ事業の収益力回復の具体的なメドが見えないことから、表記程度の利益回復にとどまると現時点では予想する。3月発売の「会社四季報」春号では予想数字を見直す可能性もある。
(勝木 奈美子=東洋経済オンライン)
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