支局をひとつも持たずに世界45カ国もの海外ニュースを現地から毎日ネット配信するネットサービスが、米国で登場した。購読者数の激減と景気悪化による広告収入急減のダブルパンチは、米メディア業界をかつてない苦境に追いこんでおり、老舗新聞社トリビューンが経営破たんに陥る事態にまでなった。既存メディア凋落の中、新たなビジネスモデルを築けるのか、注目が集まっている。
1月12日にオープンしたばかりの海外ニュースWebサイト「グローバルポスト」(http://www.globalpost.com/)には、中国やインドなど国際報道の“常連”のほかに、ジンバブエやレバノンなど日々の報道では、なかなか話題に上らない国々のニュースも並ぶ。「米国人が海外のニュースに興味がないなんてウソ。むしろ、グローバル化が進む中で、ビジネスや学問的理由、もしくは個人の民族的背景などから海外ニュースへの関心は、ますます高まっている」とグローバルポスト創業者のフィリップ・バルボーニ社長兼最高経営責任者(CEO、[写真])は言い切る。
月給1000ドルでもやり手記者が集まる理由
もっとも、同氏の観測とは裏腹に米メディアにおける国際報道の重要性は低下する一方だ。経営難を理由に海外支局の閉鎖や統合が加速、今や大手紙でも海外支局を構えているのは数えるほどしかない。紛争や事故などのニュースは通信社電を利用してきたが「最近では金銭的な理由から通信社との契約を打ち切ったり、見直す動きも広がっている。もともと米メディアの国際報道は貧弱だったが、このままでは米国民が知るべき世界のニュースすら届けられなくなってしまう」とバルボーニ氏は危機感をあらわにする。
サイトを展開する一方で、「よりリーズナブルな価格で」(バルボーニ氏)主に米国の新聞社やテレビ局向けに配信サービスも展開する。ただし、力を入れるのは速報ではなく、通信社が報道しない、報道したくてもできないネタや、国・地域の話。「通信社は、(大ニュースが続かなければ)ひとつの地域の話題を定期的に配信することもないし、本当に世界で何が起こっているのかを詳しく伝えることもできない」(同氏)。すでに、中堅紙2社と公共テレビ局1社と提携するなど、幸先はいい。
報道範囲の広さもさることながら、同社の最大の強みは世界中に散らばる記者の質の高さだ。現在65人いる記者たちの略歴をサイト上で見ると、らつ腕揃いなのは一目瞭然だ。
たとえば、イスラエル担当のマット・バイノン・リー氏は米タイム誌のエルサレム支局長を勤めた人物だし、中東担当のジェーン・アラフ氏は米CNNでトルコやイラクのバクダッド支局長を歴任したベテランだ。英国担当のマシュー・マカリスター氏は新聞社勤務時代にピューリッツアー賞まで受賞している。
世界中の記者集めは、バルボーニ氏が編集責任者として大手紙からスカウトしてきたチャールズ・セノット氏[写真]が担当した。もともと、中東や欧州などでの海外記者歴の長かったセノット氏の人脈を駆使して、9カ月間で集めた。
これだけやり手がそろえば人件費もさぞかし高いと思いきや、記者の月給は約1000ドル。しかも長期とはいえ、フリーランス契約だ。契約記者は同社のストックオプションを付与されるとはいえ、月給は安いとされる米国の記者の給与水準をも遙かに下回る。
1月12日にオープンしたばかりの海外ニュースWebサイト「グローバルポスト」(http://www.globalpost.com/)には、中国やインドなど国際報道の“常連”のほかに、ジンバブエやレバノンなど日々の報道では、なかなか話題に上らない国々のニュースも並ぶ。「米国人が海外のニュースに興味がないなんてウソ。むしろ、グローバル化が進む中で、ビジネスや学問的理由、もしくは個人の民族的背景などから海外ニュースへの関心は、ますます高まっている」とグローバルポスト創業者のフィリップ・バルボーニ社長兼最高経営責任者(CEO、[写真])は言い切る。月給1000ドルでもやり手記者が集まる理由
もっとも、同氏の観測とは裏腹に米メディアにおける国際報道の重要性は低下する一方だ。経営難を理由に海外支局の閉鎖や統合が加速、今や大手紙でも海外支局を構えているのは数えるほどしかない。紛争や事故などのニュースは通信社電を利用してきたが「最近では金銭的な理由から通信社との契約を打ち切ったり、見直す動きも広がっている。もともと米メディアの国際報道は貧弱だったが、このままでは米国民が知るべき世界のニュースすら届けられなくなってしまう」とバルボーニ氏は危機感をあらわにする。
サイトを展開する一方で、「よりリーズナブルな価格で」(バルボーニ氏)主に米国の新聞社やテレビ局向けに配信サービスも展開する。ただし、力を入れるのは速報ではなく、通信社が報道しない、報道したくてもできないネタや、国・地域の話。「通信社は、(大ニュースが続かなければ)ひとつの地域の話題を定期的に配信することもないし、本当に世界で何が起こっているのかを詳しく伝えることもできない」(同氏)。すでに、中堅紙2社と公共テレビ局1社と提携するなど、幸先はいい。
報道範囲の広さもさることながら、同社の最大の強みは世界中に散らばる記者の質の高さだ。現在65人いる記者たちの略歴をサイト上で見ると、らつ腕揃いなのは一目瞭然だ。
たとえば、イスラエル担当のマット・バイノン・リー氏は米タイム誌のエルサレム支局長を勤めた人物だし、中東担当のジェーン・アラフ氏は米CNNでトルコやイラクのバクダッド支局長を歴任したベテランだ。英国担当のマシュー・マカリスター氏は新聞社勤務時代にピューリッツアー賞まで受賞している。
世界中の記者集めは、バルボーニ氏が編集責任者として大手紙からスカウトしてきたチャールズ・セノット氏[写真]が担当した。もともと、中東や欧州などでの海外記者歴の長かったセノット氏の人脈を駆使して、9カ月間で集めた。これだけやり手がそろえば人件費もさぞかし高いと思いきや、記者の月給は約1000ドル。しかも長期とはいえ、フリーランス契約だ。契約記者は同社のストックオプションを付与されるとはいえ、月給は安いとされる米国の記者の給与水準をも遙かに下回る。
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