BLACK&WHITEには一種の割り切りもある。車種を絞り、価格も上げれば、顧客層が限定される可能性がある。しかし「価値を本当に理解してもらえる人に売れればいい」(同)。こうした姿勢が、一定の顧客に”響いた”のかもしれない。
成熟市場で売る一つのヒント
値段は高いのに、平均年齢も若返る−−。ソリオ特別仕様車の成功は、当たり前の事実を物語っている。顧客が最も重視するのは、単なる価格ではなく、価格に見合った価値があるかどうかだ。若者層を狙うからといって、低価格ならいいわけではない。「顧客は安いものを買って満足するわけではない」(田村副社長)。
「アルト、47万円」。かつて価格訴求でシェアを拡大したスズキだが、ここに来て価値訴求への転換が明確になっている。国内販売の低迷が長期化する中、昨年度、スズキの連結対象である国内の販売会社は53社すべて黒字転換した。宣伝費や台数に応じたリベートを削減し、利益重視に体質転換した結果だ。

エコカー減税の延長やエコカー補助金の復活が閣議決定され、国内の自動車販売は徐々に明るさを取り戻している。が、単に減税や補助金頼みでは、需要の先食いに終わることは明かだ。こういう時だからこそ、価値訴求の姿勢が自動車メーカーに求められている。ソリオのBLACK&WHITEは、その一つのヒントを与えているといえるだろう。
(並木 厚憲 =東洋経済オンライン)
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