つまり、09年夏のボーナスで減額に直面した人がローンを払えない事態に陥る可能性が高まるのは今年末以降。冬のボーナス減額に直面した人がローン返済できなくなる事態に陥るおそれがあるのは、来春以降にかけてだ。これらを踏まえると、マイホームを競売で手放さざるをえない住宅ローン破綻者は、今後さらに増える懸念がある。
段階的金利制度の弊害が表面化
では、08年後半から始まった競売物件数増加の直接の要因は何なのか。これは旧住宅金融公庫(現・住宅金融支援機構)時代の住宅融資で実施された「段階金利制度」の問題点が、景気後退と相まって08年に表面化したことにある。
この制度は、貸し付けから10年間の金利を通常より低く設定し、11年目から金利を引き上げる仕組みだった。05年に廃止されたが、利用者のピークは金利が過去最低の2%となった1998年。この時期に申し込んだローン利用者の返済金利が10年後の08年11月、4%へと大きく引き上げられたのだ。
たとえばモデルケースとして、98年当時、借入金額3500万円、35年返済、ボーナス返済なし、当初10年間の金利2・2%、当初5年間の返済額を極端に少なくした「ゆとり返済」とした場合。98年時点での毎月返済額9万6231円は11年目の現在、約1・6倍の15万2366円となる。10年前に予想した昇給が実現していなければ、とても“ゆとり”を持って暮らせる状況でない。
現在、銀行など民間金融機関が提供する5年、10年と一定期間だけ超低金利固定の住宅ローン商品は旧住宅金融公庫の「段階金利制度」とやや似ている商品だ。借り入れを行った10年後、金利が上がるか下がるかはわからない。金利が上昇局面を迎えていたとしても10年後、収入が右肩上がりで増えているという保証もない。
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