社会・政治

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正社員は既得権益か?――湯浅誠氏・城繁幸氏が、雇用、セーフティネットをめぐり徹底討論(1) - 09/11/17 | 12:15

湯浅 新政権がとるべき有効な雇用政策としてまず必要なのはセーフティネットへの対応、年末をどう乗り切るかが一つのヤマです。生活が成り立たず「もやい」に相談に来る人も昨年の3倍、都内の炊き出しもどこも例年の倍以上の列です。その次に雇用創出。介護、農業、林業や新規産業分野への転換も含めて必要です。労働者派遣法や有期雇用法制の規制強化にも、来年の通常国会後半には具体的に着手してほしい。

 セーフティネットの必要性は同感です。特に生活保護と雇用保険の間をつなぎ職業訓練機能を伴う「第2のセーフティネット」(→用語解説1)の役割は大きい。ただ規制に関しては湯浅さんと逆で、企業に向けて派遣法はじめ労働規制強化は、少なくとも景気がよくなるまで行わないとアナウンスすることが必要だと思います。先進国の潮流としては、企業に雇用責任を負わせるのではなくて、社会でそれをやりましょうという、“フレキシキュリティ”政策への評価が高く、私も支持しています。具体的には金銭解決の導入など、正社員の解雇規制(→用語解説2)の緩和を認め、同時に職業訓練などセーフティネットを充実させる。

労働市場を変えるため何を先にすべきか

湯浅 規制強化すると企業が逃げるという話ですよね。その理屈を認めてしまうと、世界中の法人税がゼロになるまで「逃走競争」は続くことになる。中国からバングラデシュ、次はアフリカ大陸へ。日本企業はフィリピンやマレーシアで労働問題を起こしてますが、日本ほど労働運動の弱い国は滅多にありませんから、種々のコストを考えると必ずしも安上がりになるとは思えない。

 法人税をゼロにしようという説は実際結構あります。従来高かった大陸欧州諸国も、オランダが口火を切って今やチキンレース状態で引き下げが続いています。アジアで日本は飛び抜けて高い。台湾や韓国は半導体や電機関連の法人税を国策的に下げています。企業が社会に提供するものは雇用です。逆に雇用だけでいいと思います。
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