この三つの詭弁に拠(よ)ってきたのが記者クラブなのだ。そしてその愚かな論拠によって、海外メディア等の新規参入を防ぎ、情報公開に逆行してきたのも彼らの仕業なのだ。
海外支局の新設には、カネも、人も、時間もかかる。おそらく一度閉じた支局が再び東京で開くことはないだろう。日本政府は情報発信といいつつ、自ら情報の発信源を切り、海外メディアを排除してきた。今や彼らは要求することを放棄している。なぜなら、記者クラブと闘ってまで取材する魅力を日本には感じなくなってしまったからだ。
外務、金融の2大臣の会見は海外メディアや雑誌にも開放されたが、ほかの記者クラブはかたくなだ。やがてこの岩盤は崩れるだろうが、その間にも日本の信頼は、記者クラブの存在によって毀損され続ける。
うえすぎ・たかし
1968年生まれ。政治家秘書、NYタイムズ東京支局記者を経て2002年からフリー。著書に『官邸崩壊』『ジャーナリズム崩壊』など。
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