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《検証・民主党》年金―非現実的な抜本改革案、一元化は看板倒れも(3) - 09/05/13 | 12:20



 ただ、民主党の改革が実現したとしても、未納・未加入問題が解消するわけではない。05年に年金改革を議論するために与野党で設置された「両院合同会議」で、民主党の小宮山洋子衆議院議員は、「所得比例年金の保険料をきちんと納めなければ、最低保障年金の給付は受けられない」と述べた。小宮山氏は「所得のない人はゼロ円の保険料を納めてもらうことで無年金者は基本的に解消される」としたが、所得がありながら保険料を納めない人をなくすことは難しいだろう。

消費税率据え置きで財源を確保できるのか

 財源確保も難題だ。「税金の無駄遣いを徹底的になくす」としても、消費税率を据え置いたままでは、財源確保は難しい。消費税収全額を年金財源に投じることも現実的な方法とはいえない。現在、国の消費税収は約10兆円(09年度予算)だが、地方交付税による配分を除いた国の「手取り」は、7兆円強にすぎない。一方、中高所得者への給付を削減・廃止したとしても、最低保障年金の給付には約13兆円強が必要だと民主党は試算している。残る6兆円を、財政の無駄の削減で捻出できるのか。また、現在、消費税が投じられている高齢者医療や介護の国庫負担財源はどうやって確保するのか。05年以降、民主党は年金改革できちんとした議論をしておらず、こうした問題に答えを用意していない。

 民主党は「抜本改革」を必要とする根拠として、年金制度の破綻リスクを挙げている。民主党議員には、「国民年金が壊れている」(岡田克也・民主党副代表)、「現在の年金制度は持続不可能」(古川元久衆議院議員)という認識がある。だが、下図から明らかなように、公的年金加入対象者全体に占める未納・未加入者の割合は5%に満たない。また、保険料を払わない人には、将来、年金の給付もないため、年金財政への影響も実は大きくない。

 もちろん、未納・未加入問題が解決を要することは確かであり、そのためには、生活困窮者へ保険料免除などのきめ細かい手だてや、意図的に払わない人からの強制徴収の徹底が必要だ。また、非正規労働者への厚生年金適用をしっかりと進めていく必要がある。この取り組みについては、政府与党の改革法案では「骨抜き」にされている。大手流通業界などの抵抗に遭い、加入条件が厳しく定められたため、パート労働者のうち、厚生年金加入者はわずか10万〜20万人しか増えないからだ。

 この際、抜本改革は棚上げしたらどうか。そして、漸進的ではあれ、与党がサボる改革を現行制度の枠内で民主党が率先して実行するほうが、はるかに国民のためになる。



(週刊東洋経済)
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