社会・政治

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消費税の引き上げは日本には不要である――リチャード・カッツ(3) - 10/09/07 | 08:59


 これに対し、住宅、店舗、事務所や他の建物に使われている土地の比率は、90年の20%からほぼ変化がない。07年時点で、森林や荒れ地を除いた東京都の全土地の14%が農地に区分されており、神奈川県と大阪府の同比率はそれぞれ26%と22%に上る。

 こうした不当な税優遇を廃止すれば、すぐに税収は増える。ただし、その最大のメリットは直接的な税収増効果ではなく、むしろその波及効果にある。税制改正と併せて、兼業農家が農地を売却しやすくなるような法律改正を行えば、低価格で事務所や住宅、店舗、工場を建設するための土地を取得できるようになる。その結果、GDPは高まり、税収も増えるだろう。

 それと同時に、不動産のキャピタルゲイン課税を引き下げ、土地保有税を引き上げることも必要だ。そうすれば、土地を遊休化させずに活用しようという意欲が高まる。それによって、農業の大規模化や生産性上昇が進み、農産物の価格も低下するだろう。そして、農産物価格の低下によって可処分所得が増えた消費者は、他の商品におカネを回せるようになる。要するに、農業生産性の向上と消費需要の増大と税収増が同時に実現できるのだ。

 過去数十年、都市部の農地の不公平な税優遇を廃止しようという動きはつねにあった。だが、そうした試みは自民党と農水省によって阻止されたり、大幅に骨抜きにされてきた。自民党が農業団体を優遇する理由は理解できる。しかし、なぜ民主党は自民党の政策を継続しなければならないのだろうか。

Richard Katz
The Oriental Economist Report 編集長。ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズなどにも寄稿する知日派ジャーナリスト。経済学修士(ニューヨーク大学)。当コラムへのご意見は英語でrbkatz@orientaleconomist.comまで。
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