それだけに、「懲戒処分者は一律不採用という方針を知ったときは衝撃を受けた」(國枝さん)。
愛媛県内の職場に勤務していた出原崇さん(34)は過去に懲戒歴もなく、社保庁時代は無遅刻無欠勤で、職場でのトラブルもなかったという。にもかかわらず、不採用とされた。理由の説明はなかったという。
國枝さんや出原さんは現在、人事院に不服審査請求を行っている。人事院によれば2月18日時点での請求は52人に上っている。この中には、訴訟を決意している人もいる。
社保庁廃止に伴い、離職に追い込まれた職員は1159人(内訳は勧奨退職631人、自己都合退職3人、分限免職処分525人)。一方で年金機構は、約1000人の正規職員を民間から採用しようとした。
ただ、「採用直前に辞退する人が相次ぎ、欠員が生じている。人手不足や不慣れな職員が多いこともあり、事務処理の遅れが深刻化している」と、年金機構の職員は指摘する。
年金機構設立の主眼は、年金への信頼回復にある。公務員のクビを切ることで目的を果たすことができるわけではない。
※写真は、分限免職処分に関して人事院に不服審査請求を行った社会保険庁の元職員(右の3人)の記者会見(1月18日)
(岡田広行 =週刊東洋経済2010年3月6日号)
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