地方も学校も限界 ゆめ基金が最後の砦
基金が埋蔵金のごとく積み上がっていることは確か。だが基金の廃止とともに、事業自体も打ち切られかねない。
ゆめ基金の事業について仕分け人からは、「地方に任せるべき」「学校でやればよい」といった意見が相次いだ。だが、地方自治体は国に先駆けて、市民の文化活動への助成金を次々と廃止しているのが実情だ。前出の山岸さんも、東村山市が市単独の助成事業を廃止する際に、ゆめ基金の利用を勧められたという。皮肉なことに、民主党が不要だとする独立行政法人が、市民活動の最後の拠り所になっている。
「学校でやればよい」というのも乱暴だ。学校の教員は教育カリキュラムの実施で手いっぱいで、地域の活動にかかわる余裕を失っている。また、図書館司書の資格を持つ教職員を配置している学校は少ない。専門家を招いて地域で読書活動を行うことは意義がある。しかし仕分けでは、もっぱら天下り問題や基金の費用対効果に目が向けられた。
子どもが自由に遊べる場づくりに携わる嶋村仁志・日本冒険遊び場づくり協会理事は、「協会に加盟する組織の間でも、ゆめ基金は多く利用されている。特に活動の立ち上げ時の財源として活用されることが多い。会員からは、天下り問題と事業の存廃は分けて考えるべきだという声が少なくない」と指摘する。
民主党は政権公約で、「市民が公益を担う社会の実現」を掲げている。子ども手当の財源を捻出するために、市民の活動資金を次々と切り捨てるとしたら本末転倒だ。
(岡田広行 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)
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