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地方公務員に襲いかかる賃金カットと待遇の二極化(1) - 09/11/20 | 07:00

兵庫県立大学大学院准教授 中野雅至


 既得権益の定義は人によって異なるだろうが、「これまでの政治経済体制の下で手厚い保護や特別な便益を得てきた組織や人」とするのが最もわかりやすい。

 では、地方公務員は既得権益なのか? 公務員がさまざまな制度で身分を守られていることは先進国共通だ。ただ日本の場合、「アングロサクソン諸国などに比べて公共部門の改革が遅れていること」や「官民の労働条件が大きく乖離していること」を考えると、既得権益の側面を確実に持っていると言えるだろう。

 欧州諸国では、少子高齢化と経済成長の鈍化に伴い、1980年代から公務員制度改革に取り組んでいるが、日本で中央省庁レベルの改革が本格化したのは、橋本龍太郎内閣以降の10年余りにすぎない。

 また、90年代後半から不況が深刻化する中で、民間部門では給与カットのみならず、終身雇用の崩壊も進み、今や非正規労働者が3割を超えるような状況となった。それに対して公務員は、いまだに身分も給与も安定している。



 地方公務員が既得権益者と見なされている最もわかりやすい証拠が、公務員バッシングである。当初、バッシングの対象は中央官庁のキャリア官僚であったが、大阪市の不祥事などをきっかけに、地方公務員の怠慢や厚遇ぶりにも注目が集まるようになった。

 一般国民から見て最も怨嗟の対象となっているのは、労働条件の官民乖離である。具体的には、「身分保障」「安定した給与」「相応の社会的地位」の三つ。これは経済状況が厳しい地方ほど当てはまり、地元の中小企業と比較して高給すぎる市役所職員の給与への批判は根強い。

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