藤末健三 民主党参議院議員
4月2日、ロンドンにおいて韓国とEUの自由貿易協定の締結が発表される。内容についてはこの3月に事務レベルで合意され、とうとう首脳による発表となった(注)。
このEU韓FTAは韓国経済、とくに自動車及び電機産業に大きな恩恵を及ぼす。一方で日本の自動車、電機業界にとっては、ライバル韓国が、ウォン安に加え、自由貿易協定でより優位に立つことを意味する。
例えば、自動車では、排気量1500ccを基準に中型車・大型車は3年、小型車は5年以内にそれぞれ関税を廃止する。現在、EUの乗用車関税率は、米国(2.5%)より高い10%となっている。すなわち、韓国の自動車メーカーは日本の自動車メーカーに比べ約10%の価格競争力を得たことになるのだ。日本の自動車メーカーは、競争力のあるハイブリッド車や高級車を欧州での工場では生産できない。
また、同様に液晶テレビなどについてEUの関税率は14.0%にもなる。薄型テレビだけでなく冷蔵庫(1.9%)、エアコン(2.7%)の関税はすぐにも廃止されるといわれている。
当然のことながらこの分野においても日韓の企業は激しく競争している。14%の価格差は圧倒的な差となるだろう。
日本への影響は甚大
2007年の日本とEUの貿易統計を見ると、
1)約3兆円の自動車・バイク関連製品(一部の自動車部品も含む)を有税で輸出している。最も関税率の高い完成乗用車(税率10%)の輸出は約2兆円。この分野は多大な影響を受けることは間違いない。
2)約1兆円のテレビ・カメラ関連製品を有税で輸出している。最も関税率の高いモニターおよびテレビ(税率14%)の輸出は570億円もある。
したがって、韓国と競合している自動車やテレビ等だけでも、少なくとも約4兆円の日本製品の競争力に影響が出ることになる。ただでさえ外需が減少し、国内輸出企業に大きな影響がある中で、韓国とEUのFTAは、日本国内産業に大きなマイナスをもたらすことになりそうだ。

日本政府もFTAの戦略を作るべき
日本のFTA交渉のマクロスケジュールは2004年12月制定の「今後の経済連携協定の推進についての基本方針」(以下基本方針)に記述されている。
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