《プロに聞く!人事労務Q&A》「人事制度の改定」を理由に降格や減給を行なうことは可能ですか?(1) - 10/08/23 | 12:30 |
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回答者:社会保険労務士朝比奈事務所 朝比奈睦明
2010年4月から人事制度を改定し、管理職の数を大幅に削減しました。それに伴い、降格・減給になる管理職が出ました。業務内容等はこれまでと変更ありません。
11年3月まで移行措置がありますが、11年4月からは月額5万〜6万円程度の「役職手当」が減給になります。それに伴い賞与額にも影響が出ます。「人事制度の改定」を理由に降格や減給を行うことは、法的に問題がありますか?
11年3月まで移行措置がありますが、11年4月からは月額5万〜6万円程度の「役職手当」が減給になります。それに伴い賞与額にも影響が出ます。「人事制度の改定」を理由に降格や減給を行うことは、法的に問題がありますか?

使用者は、労働者との合意なく、就業規則を変更することにより労働条件を不利益に変更することはできないのが原則です。ただし、その変更内容が労働者に周知され、就業規則の変更に合理性がある場合は、就業規則を変更することにより、労働条件を変更することが可能です(労働契約法第9条および第10条)。
とりわけ賃金および退職金に関する「合理性」について、最高裁判所は次のとおり示しています。
「特に、賃金、退職金など労働者にとって重要な権利、労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については、当該条項が、そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容することができるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において、その効力を生ずるものというべきである。右の合理性の有無は、具体的には、就業規則の変更によって労働者が被る不利益の程度、使用者側の変更の必要性の内容・程度、変更後の就業規則の内容自体の相当性、代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況、労働組合等との交渉の経緯、他の労働組合又は他の従業員の対応、同種事項に関する我が国社会における一般的状況等を総合考慮して判断すべきである(第四銀行事件1997.2.28最高裁第二小法廷判決)」
さらに、「マッキャンエリクソン事件(東京高裁2007.2.22)」では、外資系広告代理店の男性次長が成果主義により違法に降級処分(月額の基本給約20万円の減給)されたとして、地位確認や差額賃金の支払いを求めた控訴審において、「降級にするには根拠を具体的に挙げ、等級に比べ能力が著しく劣ることを明らかにしなければならない」として、降級を無効とした一審判決を支持し、会社側の控訴を棄却しました。
「マッキャンエリクソン事件」では、人事(賃金)制度変更そのものは争点にならなかったのですが、成果主義賃金の導入そのものが就業規則の不利益変更にあたるかどうか争われた「ノイズ研究所事件(東京高裁2006.6.22)」では、実質年功序列の給与制度から成果主義型に変更したことにより、降格・減給した従業員(3名、月額の基本給3.4万円〜7.3万円の減給)が減給分の支払いを求めました。
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