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ダイバーシティは儲かる。本質は「働くにも買い物するにもよい会社」を目指すこと――パク・ジョアン・スックチャ アパショナータ,Inc.代表/ダイバーシティ経営大賞記念講演(1) - 10/04/16 | 15:13


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 日本では、2008年のリーマンショック以降、ダイバーシティへの関心が低下しているという話をよく耳にします。しかし、アメリカでは逆にダイバーシティに対する関心が高まっています。「これだけ経済が厳しいのでダイバーシティに取り組まなければいけない」というアメリカ企業と、「厳しいのでそんな余裕はない」という日本企業。ここに日米の大きなズレを感じていますが、それは、日本ではダイバーシティが正しく理解されていないからだと思います。

日本では正しく理解されていないダイバーシティ

 では、「ダイバーシティ」とは何か。一般的には「多様な人材を活かす戦略」と言われています。経団連の定義では、「従来の企業内や社会におけるスタンダードにとらわれず、多様な属性、性別、年齢、国籍などや価値観、発想を取り入れることで、ビジネス環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、企業の成長と個人の幸せにつなげようとする戦略」となっています。

 私は、ダイバーシティとはまず一人ひとりが違う、異質な存在だということを受け入れることから始まると考えています。たとえば、アメリカなどでは「違いには価値がある」という視点からダイバーシティを進めています。

 次に、「ダイバーシティ・マネジメント」の定義です。私が訳したのでぎこちないですが、「誰も有利または不利にせず、全社員が生産性高く働くことができる環境を築き上げる統合的なマネジメントプロセス」ということです。いまの日本のワークライフバランス議論では女性が辞めないことに重点が置かれ、ただ長く働き続ければいいのかという疑問が出てきます。海外では、その点はシビアで「しっかり貢献してください」という考えで進めています。

 10日ほど前、私はアジアに行ってきました。みなさんはアジアではどこが最もダイバーシティ・マネジメントが進んでいると思いますか。独断と偏見で言うと、私はシンガポールだと思います。シンガポールの町を歩いていると、中国系の人が多いですが、ほかにもマレー人、インド人、西洋人ではヨーロッパ系が多い。しかし、多様な人材、いろいろな宗教の人がいるから、シンガポールが進んでいると思っているわけではありません。

 実際、シンガポールは経済がいいのです。2007年には1人当たりGDPが日本を抜きました。いまアジアで経済的にいちばん豊かな国はシンガポールです。ただ単にダイバーシティに取り組んでいる、多様な人がいて受け入れられている、ではなく、それでは経済は? 競争力は? 会社の業績は?というところまで見ないと、本当にダイバーシティがうまく機能しているかはわかりません。
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