インタビュー

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氏家齊一郎・日本テレビ放送網取締役会議長――テレビ広告はさらに減る、生き残るのは2〜3社だ(2) - 09/02/09 | 17:31


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――今期の業績を見ると、テレビ以上に新聞の広告収入の減少が激しくなっています。

 新聞は完全に需要が頭打ちで、発行部数の減少が続いている。そのため、広告収入はずっと減少してきていた。私は30年ほど前に7年ほど読売新聞社の広告担当常務をやっていたが、その頃は販売収入と広告収入の比率が5対5でほぼ同じだった。ところが、今は販売収入が7に対し、広告が3になっている。購読料を値上げしていく中で、新聞広告がテレビに食われていったためだ。

 広告収入への依存度は3割に下がったとはいえ、新聞の経営は広告収入に非常に影響を受けている。広告が急減してしまえば、経営は非常に厳しくなる。特に部数の少ない全国紙のうち一つ二つは経営が困難になるかもしれない。

 テレビも同じ。トータルのパイが少なくなってきている中でも、たとえば日本テレビがどこかとくっついて5局体制を4局体制にするということは、マスコミ集中排除原則により、法律的にできない。それができれば、割合にいろいろな手があるけれども、これはまったくできない。

 そうすると、少なくなったものを5局で分けていかなくてはいけない。しかし、全体を潤すわけにいかないぐらいの需要になってくれば、上位2〜3社しか食っていけなくなるだろう。

 トップカンパニー、セカンドカンパニーになるには、いかに支持率の高いコンテンツをつくるかに尽きる。しかも、これからは限られた予算の中で優れたコンテンツをつくっていく、そうしたディレクターの能力が問われる。経験則からいって、制作費1000億円と500億円の勝負なら、確実に1000億円が勝つ。しかし、1100億円と1000億円の勝負であれば、知恵を絞れば1000億円でも勝つことができる。これからは、そういう勝負をしていかなければいけない。

――インターネットの台頭も大きな構造変化ではないですか。

 それは違う。多くの人が誤解しているが、インターネットはしょせんハード。問題は、そこにどういうソフトを流すか、だ。たとえばニュース番組。そのソフトの価値を決めるのは、ニュースを集めて選択して価値判断して流す主体が誰なのか、ということ。読売でいえば150年新聞をつくってきた信用であり、その信用と一緒になって55年番組をつくってきた日本テレビの信用。これを直ちにやろうと思っても、何兆円かけたってできない。もし、ブログに書いてある内容をそのまま信じてしまうような人がいるなら、よほど客観的な考え方ができない人だろう。

 インターネットはテレビ放送のように1000万人単位の人が一斉に同じものを見る、という場合には適していない。サーバーを大量に使えば計算上はできるとしても、そんなことしたら高くついてどうしようもないだろう。アーカイブを見るのには向いているかもしれないが、大勢が集中するものは絶対ダメ。パンクしてしまう。

 テレビ放送がインターネットに食われると言う人がまだいるけれど、まったくのナンセンスだ。インターネットは無料ではなくインフラの部分にものすごくおカネがかかっており、誰かがそれを負担していることもよく考えなければいけない。

――今、テレビには2兆円の広告が集まっているのに対し、ネットは6000億円です。かつてテレビが新聞を抜いたように、ネットがテレビを抜くのも時間の問題では。

 それはありえない。今、インターネット広告というのは、アメリカでもどんどん衰退している。中身を見ても、検索ワード連動という形で、純粋広告からどちらかというと販売プロモーションのほうに変わっている。今でも、テレビ放送が広告の需要を何かに奪われているとは思っていない。需要そのものが減っているというのが実態だ。

 こうした中で重要なのは、本業回帰だ。これまで、日本テレビもインターネットだ何だといろんなものをやってきている。全部赤字だけれども。しかし、本業をどうやるか、どれだけよい番組をつくれるか。これを徹底的にやらなくちゃいけない。
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