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辻野晃一郎・グーグル日本法人社長――グーグルは第2次成長期 カギは「ローカル化」だ(2) - 09/02/05 | 17:30


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――これからは日本で積極的に新製品開発などを主導し、日本でのサービスは日本の独自判断で行えるようになるのでしょうか。

 地域のことは地域の連中がいちばんよく理解している。だから地域で判断して、地域で行動せよというのが、エリック・シュミットCEO(最高経営責任者)をはじめとする米本社側の基本的なメッセージです。日本できちんと存在感を高めていきたいと思います。

 もちろん、ローカルプレゼンスだけでなく、グローバルにおける存在感も高めたい。グーグル全体では、これまで足並みのそろったグローバル化を軸にやってきている。地球全体を視野に入れてビジネスをやっているので、なるべくそのことを強みとして使おう、と。たとえばデータセンターなどインフラにしても、グローバルオペレーションの中でなるべく統一化して使う。ビジネスの回し方も地域ごとにばらばらにするのではなくて、なるべく一貫性のあるオペレーションにしていきたい。

 あまり地域ごとに特殊なことをやるとその足並みが乱れるので、がっちりグローバルカンパニーとしての一体感を作ってきた。今までのフェーズはそうだったのですが、これからはその上に、どんどん各地域の強みを統合していかなければならない。今がその第2フェーズに入っているところなのだと思います。

 グローバルでもローカルでも、自由闊達で、社員の才能が存分に発揮されるような環境づくりは、開発でもビジネスにおいても重要となります。グーグルジャパンの社員が生き生きと自分のやりたいことをやって、それがグーグル全体に貢献し、日本市場の活性化にもつながればいいと思っています。

――ところで、ソニー退社からグーグル入社まで、1年ほど空白期間がありますが、その間何をやっていたのでしょうか。

 休んでいました。社会人になって20年以上ソニーにいたわけですが、「VAIO」の立ち上げのころからずっと馬車馬のように働いていて、休む間がなかった。その後もテレビグループやホームビデオのグループに行ったり、とチャレンジし続けた。でも思うところがあって、スパッと辞めて、身も心もゆっくり休めたいと思ったんです。

 それで、半年ぐらい屋久島へ行ったり、神社を訪ね歩いたり。第1回東京マラソンにも出ました。その年の秋ぐらいに自分の会社をつくったのですが、法人登記した直後にグーグルから話がありました。

――グーグルから話が来て、また疲れる仕事をやるのか、自分の好きなように仕事を続けるのか、悩んだのではないですか。

 それは悩みました。自分がソニーの二十何年間で何時間ぐらい働いたのか、を大ざっぱに計算したことがある。そこから生産的ではない会議に出席した時間などを引いて、実際、何時間ぐらい本当に生産的なことをやっていたんだろうと計算したんです。そうすると、会社勤め20年強で行った仕事は、24時間全部自分が好きなようにできる環境だと、7年でできるという結論になった。その状態から、また組織にどっぷりつかるよりは、自由にやれるほうがいいのかな、と躊躇はしました。

 ただ、これはものすごいチャンスだと。グーグルの中に入れるのであれば、自分にとって非常に勉強になるに違いないと思った。それで、最終的に行くことに決めたんです。

――ソニーに長く勤め、1年だけ休んで、その後すでにグーグルで1年半働いていますが、これから何年働きますか。

 それは今何も考えていないです(笑)。こういう立場になったのですから、今は全力でこの会社を本当にいい会社にしたいという思いだけですね。

 いい会社にするにはたゆまぬ努力が必要です。まず、この会社で働く社員にはハッピーに、楽しく仕事をしてほしい。そういうカルチャーの中で仕事をした結果、世の中の人からも支持されるようにしたい。「輝くグーグルジャパン」にすることが目標です。

(倉沢美左 撮影:今井康一 =週刊東洋経済)

つじの・こういちろう
1984年慶応義塾大学大学院工学研究科修了後、ソニー入社。「VAIO」事業創設など功績を残し、2006年退社。07年4月グーグル入社、製品企画本部長を経て、日本法人社長に。
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