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世界の工作機械メーカーは今後4分の1に収斂される、開発技術だけで製品バリューが決まる時代は終わった――森雅彦・森精機製作所社長(1) - 11/12/01 | 14:28


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 リーマンショック以降、右肩上がりの回復を続けてきた工作機械受注額に、伸び悩みの兆しが見え始めた。数年前まで、生産額で世界一を誇った日本の工作機械各社。だが、1ドル=70円台となった円高も逆風となり、2011年4〜9月期決算発表時には業績予想を下方修正する企業が続出。すでに一部の業界関係者からは、今後の見通しを悲観する声も聞こえてくる。

 今後の工作機械業界の見通しと事業戦略について、業界最大手格・森精機製作所の森雅彦社長に聞いた。

――10月末、今12年3月期の業績見通しを、従来の売上高1450億円、営業利益80億円から、売上高1520億円、営業利益63億円へ修正しました。利益は17億円の減額ですが、重しとなっているのは、やはり円高でしょうか。

 期初時点では1ドル=80円台、1ユーロ=110円台で計画を立てていました。だが、足元では1ドル=70円台に進んでいる。それで(利益額を)下方修正したということです。

 ヨーロッパとアメリカで売れている台数はそれほど変化していません。価格の面でも、為替水準に見合うように値上げを進めてきました。07年ごろは1ドル=110円前後でしたから、現地にとっては商品の値段が30%ほど上がったことになりますね。ユーロも、1ユーロ=130〜140円だったものが、1ユーロ=110円前後まで円に対して下げています。もうこれ以上、値上げをするのはしんどいと感じます。

――値上げが受注減につながることはありませんでしたか。

 リーマンショックからの回復期で上げてきたこともあり、受注台数にはそれほど響かなかったです。個々の案件で「07年に比べてこんなに値段が違う」と言われることはあるかもしれません。ただ、円が強くなっていることは世界中の人が知っていますから。

 また、工作機械といえば日本製かドイツ製ですから、ユーザーの選択肢はそれほど多くありません。韓国や台湾の中小メーカーの製品もありますが、品質の面で差がある。2〜3年で終わるプロジェクトなら新興国のメーカーのものを買うかもしれませんが、(難易度の高い)複合加工機などでは、品質の差が大きいのです。

 冷静に考えれば、工作機械は20年くらい使うもの。イニシャルコストが安いに越したことはないですが、多少高くても、それを使っての加工方法や償却法まで考えると、めちゃくちゃに損益に影響するわけではないです。資本財は素材と違い、値上げがお客さんの利益率にすぐ結びつくわけではありません。

 でも、短期間のうちに、毎年10%ずつくらい値上げしてきたので、これ以上さらに上げるのは、ちょっとしんどいなというところですね。

――国内の景況感はいかがですか。

 悪くありません。それなりに忙しい。ただ、10年前に比べると、お客さんが30%くらい減っています。ピーク時まで回復することはないでしょうね。

 当社も現在、アメリカに工場を建設中です。最近の半年間で、大口のお客さんが、海外に工場をつくらざるをえないという大きな意思決定を次々になさいました。海外移転の流れはさらに加速するでしょう。特に自動車関連はそうだと思います。

――欧州の景気減速や中国の金融引き締めの影響は出ていますか。

 中国での受注は金融引き締めを受けて下がっています。いっときに比べたら半分くらいではないでしょうか。

 欧州は、ドイツやイギリスはよいですが、イタリアやフランスではリースがつかないなど、お客さんの資金繰りが悪化しています。弱いユーロを利用して輸出したいと思っても、中小の企業におカネが回っていないんですね。

――「工作機械といえばドイツ製か日本製」というお話でしたが、ドイツ勢がユーロ安を背景に攻勢をかけている、という状況でしょうか。

 そんなことはない。たとえばアメリカの大きな案件でドイツ製のメーカーと競合することはあります。ただ、当社の場合、DMG(注:独ギルデマイスター社、欧州最大手の工作機械メーカー。森精機とは09年から資本・業務提携関係にある、持分法適用会社)と協業しているという理由もありますが、ヨーロッパ勢が安値で仕掛けてくるという状況はあまり見掛けないですね。(もともとドイツメーカーは)個々の案件で利益をリーズナブルに確保する、という文化ですから。

■ユーロの危機は世界に波及する

――この半年間で風景は変わりましたか。

 変わっています。ユーロの危機が本当の危機になりつつあるという感じですね。欧州の危機はすでに世界に波及しつつあると思います。
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