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《対決!世界の大空港3》ソウル・仁川 成田パッシングの急先鋒、日中制覇に動く“怪物”(1) - 08/08/27 | 20:00

仁川国際空港 「日本と韓国は国が違うが、地域的に見ると外国とは思えない。成田空港に行くよりも仁川空港のほうが便利な地域は多い」

 仁川国際空港公社(IIAC)の鄭濬(チョン・ジュン)・ハブ化戦略室長はこう豪語する。“成田パッシング”の急先鋒となる舞台、ソウルの仁川(インチョン)国際空港。日本にいちばん近い世界最強空港はいったい、どんなところなのか。

国内移動と同じ感覚だがその機能はメガハブ空港

 実際に飛んでみると、確かに仁川は近かった。日本国内からおよそ2〜3時間。国内移動の感覚で到着できる。仁川は2001年開港と新しい。以前はソウル市内に近い金浦空港が主力だったが、国内線と国際線を分離し、金浦は国内線専用として再出発。仁川を沖合の島に新設して国際ハブ空港とすべく猛烈に開発を進めてきた。

 仁川の滑走路は成田の2本を上回る3本目が今年6月に完成。年間発着可能枠も成田の20万回をはるかにしのぐ41万回まで増やしている。

 日系航空会社など韓国系以外の到着便は、6月に供用開始した新旅客棟のブリッジに横付けされ、「スターライン」と呼ばれる鉄道で旅客ターミナルへ移動する。3〜5分間隔の運転で、およそ3分で旅客ターミナルに着くが、韓国系よりは時間がかかる。韓国系は旅客ターミナルに直接着くので乗り継ぎなどがよりスピーディにできる設計だからだ。

 免税店など商業施設も充実している。キムチや韓国のりなど身近なお土産品に加え、ロッテや新羅といった韓国を代表するデパート、ホテルが運営する免税店も多彩。高級ブランド品から電子機器、雑貨と何でもそろっている。なんと、韓国民芸品の博物館まである。

 これまで仁川空港とソウル市内を直接結ぶ公共交通機関はバス・タクシーのみだったが、07年3月に金浦空港行きの鉄道「AREX」が開通した。それで金浦空港まで約30分。金浦からは地下鉄に乗り換え、ソウルの都心まで1時間強で到着する。10年にはAREXがソウルに直接乗り入れ、より便利になる。

 乗り継ぎの待ち時間でソウル市内まで出るのがおっくうならば、AREXで約7分で着く「エアシティ」が面白い。ロッテマートなど大型スーパーやホテルなどが建てられ、将来は国際ビジネス場や航空物流、レジャー機能などを併せ持った近未来都市が誕生する予定だ。

 アメリカ企業と提携したテーマパーク、フランス企業と提携したファッション関連の複合団地、競艇施設や水上スポーツ施設、F1の誘致なども予定している。さらに、周囲を走るリニアモーターカーの整備も決まった。空港を中核に周辺地域の付加価値を上げる戦略は、同じハブ空港であるドバイやシンガポール・チャンギとも通じる。IIACの鄭氏は「乗り換えついでにソウルで宿泊してもらう需要も掘り起こす」と意気込む。

 これに合わせて3本目の滑走路ができたばかりだが、早くも4、5本目の滑走路も視野に入れる。IIACは「10年に世界トップ5、30年に世界超一流メガハブ空港」という目標をブチ上げており、これまで手薄だったLCC(Low Cost Carrier=格安航空会社)の参入規制緩和や専用ターミナル建設も浮上している。

 猛烈に攻める仁川だが、外国人旅客数で最も多いのは、日本人だ。日本では数年前に熱狂的な韓流ブームが起こり韓国旅行に出掛ける人は増加したが、04年をピークに日本人の韓国入国者数は低下傾向にある。だが、それに代わって搭乗率を支えている日本人の顧客層がある。それが仁川を中継地として海外旅行をする乗り継ぎ客である。

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