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期待高まるメタンハイドレート、環境・経済両面で慎重な技術開発を(1) - 09/03/30 | 06:00


 「燃える氷」……神秘的なイメージを持つメタンハイドレート。日本近海の海底に約100年分という莫大な量が眠っていて、資源小国・日本が資源大国に生まれ変わる夢の資源といわれている。2008年に制定された海洋基本計画の中でも、「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」の主要テーマとして取り上げられ、注目を集めている。

 日本のエネルギー自給率はたった4%。国産エネルギーの開発は悲願だ。08年には1バレル=140ドルという異常な原油高のせいで産業界でも石油依存低下が進んでいる。とはいえ環境やコストを考えると石炭もLNGも原子力も、エネルギー需要の半分を支える石油の代替はできない。それだけに純国産の新エネルギー開発はますます重要性を帯びている。

 メタンハイドレートとは、水分子の格子状の結晶の中にメタンガスを含んだ氷状の物質。分解すると体積の約170倍のメタンガスと水になる。永久凍土や水深500メートル以上の深海底の砂層の海底面から400メートル程度の浅い範囲に存在する。0度23気圧などの低温高圧が存在条件だ。 

エネルギー大国になれない

 日本近海には、東海沖〜熊野灘や新潟沖などで存在が確認されており、1996年の科学的概算によれば7・5兆立方メートルと推定される。当面の技術力で利用可能なのは半分程度だが、07年の国内天然ガス消費量885億立方メートルをすべて代替したとして、40年分程度の埋蔵量ということになる。しかし、日本の1次エネルギーの天然ガス依存度は16・5%。日本の総エネルギー需要に換算すればわずか6〜7年分にすぎない。

 それでも、国産天然ガス産出量が北海道、新潟沖、千葉沖などを合わせても全供給量の1%にも満たない現状に比べれば、自前のエネルギー源を持てる意義は大きい。ただし、商業利用がすぐに始まるわけではない。天然ガスや石油のような流体と異なり、固体で水深500メートル以上という大深海底に存在するだけに、新たな採掘技術開発が必要だ。

 経済産業省のメタンハイドレート開発計画が本格的に始動したのは01年。この計画推進のため、石油天然ガス・金属鉱物資源機構と産業総合研究所の二つの独立行政法人と(財)エンジニアリング振興協会の3者によって「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム」が設立された。

 途中、試験結果が思わしくなく資源化は無理かとも思われたが、08年3月には、カナダの永久凍土で減圧法による6日間連続産出実験が成功し、期待が一気に高まった。低温高圧という条件のどちらかを取り除いてやれば、氷状のメタンはガス化する。海底の場合、ハイドレート層にまで通したパイプ内部の海水を抜いてやれば圧力が低下し、ハイドレートの分解が始まる。メタンガスの比重は空気に対して0・55だから自然に上昇してくる。現時点での回収率は30〜60%という。

 海底メタンハイドレート開発は日本が世界最先端だ。それでも商業化は早くても2025年ごろといわれている。09年度からスタートするフェーズ2(終了は15年がメド)では、連続産出と回収率の向上、生産量の確保が検討され、その後のフェーズ3で商業化のための技術試験、周辺海域の環境試験などが課題となる。その後、民間が引き継いで探鉱、設備投資が行われる。中国や韓国の追い上げもあるが、採取方法や採掘適地の発見などの点で、わが国に一日の長がある。欧米の研究は永久凍土のハイドレートが中心で、海洋開発には淡泊だ。

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