Business 野口悠紀雄の「経済危機後の大転換――ニッポンの選択」
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野口悠紀雄の「経済危機後の大転換――ニッポンの選択」へ

(第1回)驚くべき急回復を示すアメリカの先端産業(1) - 10/02/08 | 12:15


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 アメリカの金融業が急速に復活している。2009年第3四半期における利益は、ボトムであった08年第4四半期の2・8倍になった。そして次ページ図に見るように、金融危機前のレベルに近づきつつある。

 金融危機が深刻化し、さまざまの救済策が実施されたのは、08年秋だった。これはまるで昨日のように思える。9月に投資銀行のリーマン・ブラザーズが破綻。10月に成立した金融安定化法に基づいて、巨額の公的資金注入がなされた。09年1月には、シティグループの株価が急落し、政府がシティ株を取得して事実上の政府管理・部分国有化が行われた。

 このとき多くの人が「アメリカの金融業は壊滅した」と考えた。図に示すような急降下を目撃したのだから、それも無理はない。

 しかし、それからまだ1年少ししか経っていないのに、驚くべき急回復が生じたのである。JPモルガン・チェースとゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの3社は、09年6月に公的資金を全額返済した。12月には、バンク・オブ・アメリカ、ウェルズ・ファーゴとシティグループが完済し、大手6金融機関の返済が完了した。

 IMF(国際通貨基金)が09年10月に発表したGFSR(世界金融安定化報告)によると、アメリカの銀行は、損失額の約6割分の処理を09年第2四半期までに行った。残りの償却に自己資本が用いられても、中核自己資本で資本比率8%が達成できる。つまり、アメリカの金融危機は、ほぼ解決のメドがついたわけだ。

 この現象は、日本人には極めて理解しがたい。日本の銀行のように預金を集めて貸し出し、利ザヤをとるという業務であれば、急速な利益増はありえないからだ。これは、アメリカの金融機関が日本の金融機関とはまったく異なるビジネスモデルを持っていることを示している。

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